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【奈良新聞】 有権者は見極めを

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
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 衆院議員選挙が10日に公示された。定数改定で3小選挙区となった県内では4党から合わせて10人が出馬。近畿ブロックの比例代表選挙と併せ、22日の投票日まで県内で激しい選挙戦を展開している。唐突気味の解散であったが、今回の衆院選挙には「政権選択選挙」との位置づけや、近年になく憲法改正、消費税増税、原発・エネルギー問題など明確な争点がある。選挙ムードの一層の盛り上がりが望まれる。
 県内の小選挙区が1減の3となった初めての衆院選。奈良市(一部除く)と生駒市で新1区となるなど区割りが変更された。旧3区の4市7町は新2、3区に二分され、これまでなじみのない候補を選択しなければならない。筆者は3区から新2区になった町の住民であるが、高齢者を中心に戸惑いが広がっている。投票日までに各候補、各選挙管理委員会、マスコミによる広報の徹底を図らねばならないだろう。
 本紙の読者欄に「衆院選挙」をテーマにして投稿を募ったところ、今の政治に対する厳しい意見が相次いだ。「政治と、多くの人々が日々の暮らしにあえいでいる現実とかけ離れているよう思う」「議員の仕事や選挙の仕組みなど、私たちの生活とかけ離れた位置にある」。しかし、「政治は、国民を守るためにあるべきもので、実践してくれる人を選ぶのが選挙だ。誠実で清潔な政治をしてくれる人を選ぶ」との期待もあった。各候補、各党はこうした国民の声に謙虚に耳を傾けてほしい。
 一方で有権者には候補、党を見極める厳しい目が必要となってこよう。
 日本でなく米国映画界の出来事であるが、強い信念を持った人たちをみたことがある。1998年にエリア・カザン監督がアカデミー名誉賞を受けた会場で、立ち上がって拍手する人々の中、俳優のエド・ハリスら何人かが硬い表情で腕組みして座っているのをテレビで見た。祝福ムードに水をさす一種異様な光景であった。かつて冷戦時代のハリウッドで“赤狩り”旋風が吹き荒れた時、カザン監督は司法取引で仲間を売ったのを彼らは決して許さなかったのだ。相手が高齢だからといっても容赦しない行動に、ハリウッド良識派の信条と民主主義の真髄を見た気がした。
 選挙の時だけの「巧言令色」に惑わせれてはならない。いかに国民、県民のために信念をもって行動してくれるか。そういう候補、党を選ばねばならない。「政治不信」だけでは前には進まない。
 

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