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【徳島新聞】   9条改正  変えるか否か議論深めよ  

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 安倍晋三首相が、2020年の新憲法施行を目指す方針を表明したのは、今年5月3日だった。憲法施行70年の節目の日である。
 その後、時期にはこだわらないとしたものの、改正にかける思いは衰えていない。
 衆院選に当たり、各党は憲法についての考え方を示している。変えるべきかどうか。改正するなら、どこをどう変えるのか。そもそも、なぜ変えなければならないのか。
 公約を見比べて、論戦にしっかりと耳を傾けたい。
 自民党は改憲を公約の重点項目に位置付けた。昨年の参院選では末尾に触れるにとどめていただけに、強い意気込みがうかがわれる。
 掲げたのは、戦争放棄を定めた9条への自衛隊明記や教育無償化など、4項目だ。
 自衛隊を巡っては5月に首相が、9条を維持した上で存在を明記する文言を加える独自案を提示した経緯がある。
 これに対して党内から、戦力不保持を定めた9条2項を修正し「国防軍」保持を明記した12年の党改正草案の内容と違うとして、異論が出た。
 公約で「自衛隊の明記」とだけ記し、2項の扱いなどに触れなかったのはそうした事情がありそうだ。
 首相は当初、秋の臨時国会で改憲案を示すスケジュールを描いていた。だが森友、加計(かけ)学園問題などで内閣支持率が急落し、8月になって提示を事実上先送りした。
 解散・総選挙に踏み切ったのは、憲法論議を仕切り直す狙いもあったとみられる。
 衆院選で勝てば来年の党総裁選で3選でき、21年9月までの続投が視野に入る。さらに、直近の民意を得たことになり、改憲に弾みがつくというわけだ。
 民進党の分裂により、国会発議に必要な3分の2以上の「改憲勢力」確保も容易になった。希望の党が公約で「自衛隊の存在を含め、時代に合った憲法の在り方を議論する」としているためだ。
 ただ、小池百合子代表は、首相の独自案には「疑問がある」と述べている。
 では、自民党改正草案を支持するのかどうか。草案を尊重すべきだとする石破茂元幹事長と親交があり、連携を目指しているのではとの指摘もある。9条に対する姿勢を明確にしてもらいたい。
 公明党は自衛隊明記に慎重で、日本維新の会は9条改正を主張している。
 一方、立憲民主党は専守防衛を逸脱する安全保障法制を前提とした9条改正に反対し、共産、社民両党は憲法改正に異を唱える。
 9条以外では、緊急事態条項の新設や参院選「合区」の解消、地方自治の充実といった項目も挙がっている。
 だが、どれも憲法を変えなければ対応できないものなのか。改憲自体が目的になっていないか。
 改正の必要性も含め、議論を深めなければならない。

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