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【京都新聞】 米軍ヘリ炎上  沖縄だけの問題でない

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 沖縄県北部、東村高江の民有地に米軍海兵隊所属の大型輸送ヘリコプターが緊急着陸し炎上した。
 現場は牧草地で近くには民家や養豚施設もある。一歩間違えば大惨事になった。
 同県の翁長雄志知事は「強い憤りを感じる」と抗議の意を表明した。
 沖縄では米軍機の事故が度々起きている。墜落事故は1972年の返還後だけで48件ある。怒りは当然だ。
 全国の米軍専用施設の約7割が沖縄県にある。米軍関連の事故、事件が絶えないのは、米軍基地が過度に集中しているからだ。
 在沖縄米軍の大部分を占める海兵隊は、50年代まで岐阜県など本土にも駐在していた。沖縄に移ったのは、米軍への反発が強まったためだ。沖縄は当時、米施政下にあり、基地拡大に反対することは不可能だった。
 「本土は基地負担を沖縄に押しつけて日米安保体制の利益だけを享受している」。沖縄ではこう指摘されることが少なくない。
 歴史的経緯を直視し、日本全体で沖縄の声に向き合う必要がある。
 安倍晋三政権は沖縄県の反対にもかかわらず、普天間飛行場の名護市辺野古への移設工事を続けている。今回の事故現場近くには昨年末、集落を囲む6カ所にヘリ離発着施設を建設した。
 「基地負担の軽減」が理由だが、負担はむしろ増しているという指摘もある。
 米軍機の事故の度に、日本が捜査や調査に携われないことが問題になる。米軍と軍人については米優先の日米地位協定があるためだ。
 今回もすでにその問題があらわになっている。沖縄県が事故現場の環境調査を申し出たが、米軍は拒否した。
 事故機と同型ヘリは放射性物質を搭載しているとされる。住民の健康に責任がある県としては当然の申し出である。
 安倍首相は事故に遺憾の意を表明し、原因究明と再発防止について自衛隊の知見を活用するよう防衛省に指示した。米軍が応じるかは不透明だ。
 地位協定下では、米軍機は京都や滋賀も含め日本中を自由に飛び回ることができる。同じような事故がどこでも起きる可能性がある。安倍首相はむしろ、この機会に地位協定の改定を提案すべきではないか。
 沖縄だけの問題ではなく、わがこととして捉えたい。

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