Home > 社説 > 地方紙 > 北海道・東北地方 > 福島民友新聞(福島県) > 【福島民友新聞】 室屋さん世界王座/夢かなえた快挙たたえたい
E115-FMINYU

【福島民友新聞】 室屋さん世界王座/夢かなえた快挙たたえたい

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 あきらめずに追いかけ続ければ夢は必ずかなうことを教えてくれた。たゆまぬ努力と強い意志に裏打ちされた快挙をたたえたい。
 レース専用飛行機の国際大会「レッドブル・エアレース・チャンピオンシップ」の今季最終第8戦が米インディアナポリスで行われ、福島市を拠点に活動している室屋義秀さんが今季4勝目を挙げて、アジアの選手として初めて年間総合優勝を果たした。
 室屋さんは予選で14選手中6番目のタイムを出したが、ペナルティーで2秒加算され11位で通過。総合優勝は遠のいたかのように見えたが決勝レースで見事優勝。ランキングトップだったチェコの選手を総合ポイントで上回り、年間チャンピオンの座を手にした。
 室屋さんは2009年からエアレースに参戦、昨季は千葉市で行われた大会で念願の初優勝を飾った。今季は米サンディエゴでの第2戦、千葉市での第3戦と連勝し、ドイツでのラウジッツで行われた第7戦も制していた。
 室屋さんは勝利インタビューで「最初からチャンピオンを目指してきた。モータースポーツの聖地で、世界チャンピオンを取ることができ、これ以上のことはない」と喜びを語った。欧米優位のモータースポーツ界で、「空のF1」とも呼ばれる世界最高峰の戦いを日本人が制した意義は大きい。
 室屋さんは1999年、自由に練習ができる環境を求めて福島市に移住、ふくしまスカイパークに拠点を置き腕を磨き続けている。
 最高時速370キロ、最大重力加速度10Gの中、世界最高の飛行技術を競うエアレース。室屋さんは徐々に頭角を現す一方で、ボランティアで青少年航空教室を開くなど地域にも貢献してきた。2016年には「第26回みんゆう県民大賞」を受賞している。
 しかし、王座を目指す道のりは決して平たんではなかった。人生の師匠でもあった恩師の事故死、資金難、世界という名の高い壁、そして東日本大震災と原発事故…。
 室屋さんの公式ホームページには「少水常流如穿石」という禅語が書かれている。少しずつでも水が流れ続けていれば石をも貫く。まさに一歩、一歩の積み重ねで室屋さんは世界の頂点を極めた。
 県は、室屋さんの功績をたたえ「県民栄誉賞」をおくる。女性で初めて6大陸最高峰を制覇した田部井淳子さん、ソチ冬季パラリンピックメダリストの鈴木猛史さんに次いで3人目だ。
 エアレースパイロットのトップとして、復興が進む本県のいまを世界に発信し続けてもらいたい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。