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【デーリー東北新聞】 衆院選・社会保障 求める「安心」には程遠い

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 世論調査などで重視する政策として上位を占めるのは年金や医療、介護、子育て支援など社会保障の充実だ。だが、衆院選での各党の訴えは総じて耳に心地よい内容で具体策に乏しく、国民が求める「安心」には程遠いと言わざるを得ない。
 急速に進む少子高齢化で社会保障費は国の一般歳出の半分以上を占め、その大半を国債という借金に頼っている。今後も増え続け、団塊の世代が75歳以上になる2025年には医療費は約1・4倍、介護費は約1・9倍にも膨らむとみられている。
 この費用をどう賄っていくのか。その一つの解決策が12年に旧民主、自民、公明の3党で合意した「税と社会保障の一体改革」だった。消費税を10%まで引き上げ、増え続ける社会保障費に充てる。同時に1千兆円に上る借金も返済していこうという内容だ。
 いわば政治の覚悟を示した決断だった。ところが、安倍晋三首相はその増税を2度も延期した上、今度は「引き上げ分の使い道を変更する」として衆院を解散した。借金返済分の半分を幼児教育の無償化や高等教育の充実に充てるという。
 もちろん、そうした支援も必要には違いない。だが、今、優先して取り組むべきは待機児童の解消ではないか。安倍政権は当初、待機児童ゼロを本年度末までに達成するとしたが、保育士不足などで実現が見込めず、3年先送りしたばかりだ。
 借金返済についても同様だ。返済分を先食いすればかえって未来世代につけを回すことになる。それでいて財政健全化も掲げるというのは、ご都合主義だと言われても仕方ない。
 対する野党はどうか。同じように教育無償化などの充実を訴えるが、消費税の増税では「凍結」「中止」などとする。では財源はどうするのか。行財政改革などを挙げるが、説得力のある道筋は見えてこない。
 社会保障を立て直すには、消費税10%でも追い付かないのが実態だ。増税したとしても給付減などの効率化や重点化が必要になる。しかもそうした痛みを伴う施策は着々と進んでいる。医療や介護では保険料や自己負担が増え続け、年金は目減り傾向が続く。
 こうした現状に不安を抱いているのは高齢者だけではない。現役世代も同じだ。今、家計の預貯金は過去最高に達しているという。老後への備えなどが原因だ。将来、医療や介護が必要になったらいくらかかるか分からない。各党にはそんな生活不安に正面から答えてもらいたい。
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