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【西日本新聞】 大規模災害対策 政治の「使命」を見据えて

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 九州豪雨や熊本地震など近年、「想定外」と形容される自然災害が頻発している。
 自然の脅威のレベルは、「災害の平穏期」に重なるといわれた高度成長期ごろと比べれば、格段に上がったといえるだろう。
 国会や政府の根本的な使命は国民の命や財産を守ることである。衆院選では被災地の声を踏まえて、新たな法整備など実効性のある災害対策を論じてもらいたい。
 自然災害のうち特に風水害は最近、国民生活に甚大な被害をもたらしている。九州・山口では「非常に激しい雨」(1時間50ミリ以上80ミリ未満)の降る回数が1980年代の約1・4倍に増えた。
 豪雨と台風のエネルギー源はいずれも海水面の水蒸気である。地球温暖化の影響で海面水温が上昇し、蒸発する海水量は増大している。このままいけば雨量は今後も増え続けると予測されている。
 気象庁は過去の教訓から2013年、「直ちに命を守る行動」を住民に促す「特別警報」を新設した。今夏の九州豪雨の際も数十年に1度の災害が差し迫ったとして大雨特別警報を出した。
 自治体の初動に役立ち、住民にも十分に伝わったか。観測態勢や警報の在り方を含めて検証を重ねていく必要がある。
 災害に関する法律は大災害のたびに制定・改正され、主なものだけで100本を超える。
 そのうちの1本について政府は抜本的な見直しに着手した。地震の予知を前提にした大規模地震対策特別措置法である。1978年の施行当初から疑問があった予知について「困難」と判断した。
 予知に対する過剰な期待はかえって国民を危険にさらす。見直しは遅きに失した感さえある。大震法に限らず、災害に備える法体系も不断の点検が求められよう。
 各党の衆院選公約には地球温暖化やゲリラ豪雨、大津波への対策などが盛り込まれている。
 防災体制は科学的に裏打ちされているか。災害関連の法律は社会の現実や時代の要請に即しているか。再点検する機会にしたい。 →電子版1周年記念!1万円分賞品券やQUOカードが当たる!!

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