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【中日新聞】 <’17衆院選>9条改憲論 平和の未来がかかる

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 憲法施行七十年。その年の衆院選で改憲が争点となった。自民党の公約が九条への「自衛隊の明記」だ。九条改憲に真っ向から反対する政党もある。何が問題なのか、有権者はじっくり判断したい。
 改憲は自民党の安倍晋三総裁(首相)の宿願である。それでも同党の公約で六つの重点項目に「憲法改正」と堂々と掲げたのは、今回が初めてである。
 あえて民意を問い、改憲手続きに進みたいのだろう。改憲項目は緊急事態対応など四つあるが、「自衛隊の明記」は総裁自ら五月に語ったことでもある。
 だが、公明党は「意図は理解できないわけではないが、多くの国民は自衛隊の活動を支持しており、違憲の存在とは考えていない」と距離を置いている。希望の党も九条を含め改憲を進める考えだが、小池百合子代表は「自衛隊だけ取り出し、このような形で進めるのは大いに疑問」と語った。
 維新の改憲案はむしろ統治機構改革などが主だ。ただ九条も改憲のテーマに挙げる。日本のこころは自衛隊明記に賛成する。つまり改憲政党でも、九条へのスタンスには濃淡がある。
 これに対し、立憲民主党、社民党、共産党は「九条改憲反対」の立場だ。立憲民主の枝野幸男代表は「違憲の安全保障法制を追認する憲法改正には賛成できない」と語る。社民は「九条を死文化しようとしている」と護憲を訴える。共産党も「変えるべきは憲法ではなく、憲法をないがしろにした政治だ」という。
 自衛隊には従来、強固な政府見解がある。不意の侵入者への正当防衛、そのための戦力には至らない「自衛力」に基づく実力組織であり、合憲と説明されてきた。
 だが、今や集団的自衛権を行使できる存在だ。米軍などと一体となって行動できる。米軍はまぎれもない軍隊であり戦力である。一緒に行動する自衛隊が戦力でないといえるのか。そんな疑問が出てくる。つまり九条二項の戦力不保持と矛盾するのではないか。
 自衛権の範囲をめぐる論争が再燃するのは必至であろう。いずれ二項の削除の方向に議論が進む心配も出てくる。
 反対する野党にも注文がある。教条的にならず、国民に向けて、もっとわかりやすい言葉で、なぜ自衛隊の明記が許されないか語るべきであろう。平和国家の行く末のために有権者が判断しやすい論争をしてほしい。  

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