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【産経新聞】 拉致帰国15年 圧力の中に解決の機探れ

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 15年前の10月15日、羽田空港で特別機から、蓮池薫さんら5人の拉致被害者がタラップを降りてきた。
 日の丸の小旗を振りながら迎えた横田めぐみさんの母、早紀江さんは、5人が降りた後も「機内にまだ誰かいるのではないか。めぐみちゃんも乗っているのではないか」と、タラップを見つめていた。
 本紙に連載中の「めぐみへの手紙」に早紀江さんはそう記した。そして一方的にめぐみさんの「死亡」を通告されてからの15年間を、「厳しく地獄のような日々でした」と振り返っている。
 もちろん悪いのは国家として日本人を拉致し、被害者の解放はおろか調査にも応じない北朝鮮である。一方で早紀江さんは同じ連載で「さらわれた国民を救えないのは国家の恥ではないでしょうか」とも訴えている。政府にはこの母の思いに応える責務がある。
 帰国15年に際した本紙の取材に蓮池さんも「日本政府は本腰を入れ、解決に向けて努力を倍加しなければ道は開けない」と訴えた。その上で、挑発が手詰まりになりつつある北朝鮮が米国の圧力で核・ミサイル放棄を検討する交渉局面が近く訪れると分析し、「その瞬間が拉致問題を強く示し、被害者を返す機会」とも強調した。
 15年前、当時の小泉純一郎首相が訪朝して拉致の国家犯罪を認めさせ、被害者5人の帰国に結びつけた背景には、ブッシュ政権が北朝鮮を「悪の枢軸国」と位置付けた米国の強硬姿勢があった。
 徹底した圧力の中に解決への道はある。緊張が高まる今こそ、その好機ととらえるべきだ。
 11月に来日するトランプ米大統領は、早紀江さんら拉致被害者の家族と面会する。トランプ氏は国連総会の一般討論演説でも、めぐみさんの拉致に言及した。北朝鮮は間違いなく、面会におけるトランプ氏の言動を注視する。
 早紀江さんは「解決へ力強いご協力をお願いしたい」と期待をかけるとともに、「面会だけで問題は解決しない。被害者救出には日本が主体的に動かなければならない」と強調した。
 拉致被害者全員の解放は、政府の覚悟と行動なしに果たすことができない。蓮池さんは「拉致は現在進行中だ。被害者が生きている可能性も限りなく高い」とも述べている。家族に、再会の機会を与えてほしい。

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