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【産経新聞】 エネルギーの選択 「原発ゼロ」こそが国難だ

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 衆院選での重要な争点が不完全燃焼のまま終盤を迎えている。
 国のエネルギー・環境問題だ。とりわけ原発の議論が深まらない。
 国家の維持には日常生活と産業活動を支えるエネルギーが不可欠だ。日本は主要先進国で最もエネルギー自給率が低い国である。
 安全に徹した原子力発電の活用こそが、日本の将来の発展に通じる道であるにもかかわらず、議論がかくも低調であるのは、どうしたことか。
 そもそも原発をこの衆院選の争点に据えたのは、希望の党である。公約で「2030年までに原発はゼロへ」と打ち出した。
 自民党の「重要なベースロード電源との位置づけのもとに活用」という既定方針や公約と対極をなす宣言である。
 共産党、社民党、立憲民主党なども脱原発政策を掲げている。だが、いずれの党の公約からも原子力抜きで安定した電力供給を可能にする道筋は、読み取れない。
 自民党でさえ「原発依存度の可能な限りの低減」と積極性を欠いており、各党ともに旗幟(きし)の不鮮明さと説得力の乏しさばかりが目につく選挙戦である。
 国民の間には福島事故による原子力発電への不信感が尾を引いている。衆院選こそ信頼回復につなぐ機会だと考えてほしい。
 選挙戦での議論の低調ぶりとは裏腹に、日本を取り巻く現実は、安全性を高めた原発の有効利用を強く迫る要件に満ちている。
 地球温暖化防止のパリ協定で、日本が世界に公約した二酸化炭素の排出削減量を、原発抜きで達成できるのか。
 途上国の人々の生活の質が向上することで、世界のエネルギー需要は増大し、日本のガスや石油の確保は次第に難しくなっていく。それを再生可能エネルギーだけでまかなえるのか。
 遠くない将来、確実に起きる南海トラフ地震で西日本の火力発電所などのエネルギー拠点は大打撃を受ける。そのとき日本を救うのは日本海側と北日本の原発だ。
 原発の多様な利点には目を向けることなく、感情先行型のゼロリスク論の金縛りに甘んじていては大事な議論が進まない。原発への司法判断も揺れている。
 打開の糸口を衆院選に期待したが、盛り上がりを欠く。原発への思考停止こそ「国難」である。

One comment

  1. 放射性物質の事に関して、何一つ書かれていない・・・

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