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【福島民友新聞】 子どもの貧困対策/連鎖ストップへ地域の力を

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 「貧困の連鎖」に歯止めをかけるために地域の団体が力を結集し、子どもを救うための一体的な対策を講じる体制をつくりたい。
 県は、地域の実情に応じた子どもの貧困対策の強化に乗り出した。各市町村に対して、貧困問題に関係する部署や団体が情報を共有し、効果的な支援に当たる連絡会議「子どもの貧困ネットワーク」の設置を求める。
 子どもたちを取り巻く貧困問題は深刻だ。厚生労働省の国民生活基礎調査によると、2015年時点の子どもの貧困率は13.9%だった。前回調査(12年)より2.4ポイント低下したが、7人に1人の子どもが貧困状態にある。
 子どもの貧困は栄養不足や学力低下、虐待などさまざまな問題が絡み合っていることが多い。しかし県によると、これまでは市町村の各部署や学校、児童相談所などがそれぞれ担当ごとに対応してきたため、支援が断片的になることがあったという。そのため県は本年度、県内7方部で開いた青少年支援協議会で各市町村にネットワークの設置を呼び掛けた。
 ネットワークは市町村や教育機関、児相、警察、子どもを支援するNPO団体などでつくる。各機関が連携し、実態が見えにくい子どもの貧困の現状を分析した上で、迅速な支援につなげることが大切だ。各市町村は設置に向け、関係機関との調整を進めてほしい。
 子どもたちを地域で支える「子ども食堂」も取り組みが広がりつつある。県内で子ども食堂を運営する団体が8月に「ふくしま子ども食堂ネットワーク」を設立し、1年後までに現在の約3倍となる30カ所での開設を目標に掲げた。
 子ども食堂は、子どもたちに温かい食事やほっとできる居場所を提供するだけでなく、虐待などの端緒を見つける場にもなる。
 各運営団体は、行政と連携を強めながら地域事情に配慮した設置を進め、セーフティーネット(安全網)の目をより細かくしていってもらいたい。
 県が昨年度に行った子どもの貧困調査では、自治体が実施している経済支援について、支援を必要としている家庭に十分認知されていない実態が明らかになった。
 そのため県は支援策をまとめた小冊子を作成し、11月中に県内全ての中学2年生に配布する。支援が行き渡るよう、教育現場で有効な活用を呼び掛けてほしい。
 子どもだけではなく、保護者への支援も欠かせない。親が安定した収入を得るための雇用支援を充実させるなど、あらゆる面から対策を強化していくことが必要だ。

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