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【中日新聞】 <’17衆院選>対北朝鮮政策 衝突させない外交を

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 安倍晋三首相は今回の衆院選挙で、対北朝鮮政策を主要な争点として挙げたが、圧力強化を前面に押し出す姿勢が目立つ。緊張が高まっている時期だからこそ、衝突させない外交が求められる。
 安倍首相は各地で行っている応援演説の中で、最初に北朝鮮を巡る情勢に触れ、一定の時間を割いている。
 「この選挙は北朝鮮の脅威に対して、いかにして国民の命と幸せな暮らしを守り抜くのか、それを問う選挙です」「北朝鮮は、話し合いを時間稼ぎに使っている」「脅しに屈してはならない」とも述べた。自らの北朝鮮政策に対して、国民の信を問いたい、という意気込みの表れなのだろう。
 もちろん北朝鮮による弾道ミサイルの発射や核実験は、日本への直接の脅威だ。国連安全保障理事会の制裁決議に対する明白な違反でもあり、許されない。
 しかし、こういった状況が「国難」(安倍首相)というのなら、なぜ解散に踏み切って、わざわざ政治的空白を生んだのか。この疑問は、投票日を目前にしている今も、消えていない。
 もうひとつは、首相が危機を繰り返し強調する、本当の狙いだ。米国との太いパイプや、二〇一五年に成立させた安全保障関連法の必要性をアピールしたいのではないか。
 集団的自衛権の行使容認や米軍支援拡大を盛り込んだ安保法には、「違憲立法」との批判が強い。
 各党は北朝鮮問題について、「国際社会と連携し、制裁の厳密な実施」(希望の党)、「国際社会と連携して圧力強化」(立憲民主党)、「対話による平和解決」(共産党)と、それぞれ求めているが、大きな争点になっているとは言い難い。
 安倍首相の土俵に乗って選挙戦を進めたくないという、各党の警戒感も影響しているようだ。
 一方、安倍首相の発言には「危機をあおっている」という批判が絶えない。このためか首相は最近、「紛争などは決して望んでいない。圧力は北朝鮮の政策を変えさせるためで、勤勉な労働力や地下資源を生かせば明るい未来がある」とも説明している。
 北朝鮮への対応は、選挙後も続く課題だ。十一月に行われるトランプ米大統領の来日時にも、最優先で話し合われるだろう。首相が言うとおり、誰も衝突は望んでいない。外交的な打開策を、今後も粘り強く探るべきだ。  

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