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【中日新聞】 名古屋・栄の再生 魅力ある空間を生かせ

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 中部地方を代表する繁華街の名古屋・栄で再開発が動きだす。超高層ビルの開業が相次ぐ名古屋駅前に後れを取っていたが、面としての街の広さを生かしつつ、新たな魅力をつくるときだ。
 名古屋では明治時代から栄が商業の中心地として発展してきた。しかし、古い建物が多くなり、この十年ほどで超高層ビルが林立した名駅に集客力を奪われ、人の流れが変わったとされる。
 今、再び活気づく先導役として、百貨店の丸栄の行方が注目を集めている。閉店して建て替え、二〇二〇年をめどに商業を核とする新施設に生まれ変わる、と親会社の興和が明らかにした。近隣の保有ビルなどと二段階で開発し、二千億円規模の巨額を投じるという。今春に全面開業した名駅のJRゲートタワーの事業費約千二百億円と比べてもスケールは大きい。
 丸栄だけではない。中日ビルは二〇年代半ばに建て替えられ、ほかの新ビル構想も動いている。ここにきて民間の再開発が進みだしたのは、リニア中央新幹線の二七年開業が迫っているためだ。東京・品川まで四十分ほどで結ばれ、首都圏からの来訪者が増える期待がある一方、手をこまねくと名駅の商業集積が進むとの懸念は根強い。例えば札幌市では北海道新幹線の延伸を見越し、商業の中心地が雪まつり会場で知られる大通地区から、高層ビルが増える札幌駅前へ移りつつある。
 栄と名駅は直線距離で二〜三キロほど。名古屋市などは歩行空間や移動手段を練り直し、両地区を結びつけて互いに発展できる策を進めるべきだ。リニア登場後に心配される東京への一極集中を防ぐ手だてにもなる。
 栄ならではの特徴も忘れてはいけない。それは東京・銀座のように街歩きを楽しめることと、緑豊かな空間だろう。戦災復興の象徴である「百メートル道路」の久屋大通は、栄の中心部を南北に走り、二本の道の間に公園などを配している。名古屋市は、この公園の北側で民間委託のカフェなどを整備し、さらに公園中央のバスターミナルを移し、空いたスペースをにぎわい創出に生かす方針でいる。
 都会の真ん中にある広い緑地だ。あまり手を入れず、憩いの場として使い勝手を高めてはどうか。栄でなければ買えないモノ、体験できないコトを生み出す仕掛けも鍵となる。民間と行政が幅広い年代から意見を募り、協調して再生の道を示してほしい。  

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