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【朝日新聞】 衆院選 若者の投票 社会の形を自ら選ぶ

そう思わないそう思う (+1 点, 1 投票)
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 18歳と19歳の若者が選挙権を得て、初めての衆院選だ。
 一般に若い人は選挙に関心が薄いといわれる。だが昨年の参院選の投票率は、18~19歳の平均が20代と30代を上回った。
 とりわけ18歳が高い数字だった。高校での「主権者教育」の効果もあったに違いない。
 最初の経験を通じて「投票に行くのが当たり前」という意識をはぐくむ。選挙のたびにそれを積み重ねる。そうやって全体の投票率を高めていきたい。
 とりわけ今回の衆院選は、若い世代にとって切実な意味を帯びる選挙だ。
 消費税率を上げるとき、これまで言ってきた使い道を変え、教育の無償化などに充てる。その是非を問うとして首相は衆院を解散した。他党も負けじと無償化の規模や範囲を競う。
 大学生の2人に1人が奨学金を受け取っている時代だ。若い世代にとって学費の負担が減るのは喜ばしいことに違いない。一方で、票目当ての大盤振る舞いによって財政再建が先送りされれば、そのツケを払わされるのは今の若者たちだ。
 日本の社会は「税金が増えるくらいなら、無償化などを進めなくてもいい」との意識が強く、若い世代も変わらない。教育社会学者らの数年前の意識調査で、そんな結果が出た。
 しかし富裕層への課税を強化する方法なら、若者にはあまり負担はかからない。再分配機能の強化という社会の要請にもかなう。そうした知識があれば、選挙戦でなぜ消費税にばかり焦点が当たるのか、幅広く選択肢を考えない理由は何か、といった疑問もわくだろう。
 意識調査に携わった濱中淳子(じゅんこ)東大教授は言う。
 「若い人は税金についてしっかり学んでほしい。社会の形は決して変えられないものではない。自分たちで選ぶものだ」
 「現代社会」などの教科書を読み返すだけでも考えるヒントはある。それが、少しでも自分と考えの近い候補者を探す手がかりになるはずだ。
 重大な争点がもう一つある。改憲の是非だ。
 明日からの生活がただちに変わるわけではないので、投票先を決めるときに後回しにしがちだ。けれども長い目で見れば、9条をめぐって問われている平和や安全保障のあり方は、間違いなく、これからの世代の一人ひとりの人生を左右する。
 授業で憲法を学んだばかりの10代は、大人より考える材料が豊富かもしれない。教室で話し合ったこともふまえ、じっくり考えて一票を行使してほしい。

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