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【茨城新聞】 衆院選 謙虚な姿勢で政権運営を

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5年間の安倍政権への審判となる第48回衆院選は22日投開票され、与党は自民、公明両党で過半数を大きく上回り、連立政権の継続が決まった。国民の信任を得たとはいえ、勝因の一つには野党の足並みの乱れがある。対抗軸となる勢力の結集を果たせず、離合集散の中で候補も乱立し、政権批判票の受け皿が分散してしまった。直前の世論調査でも内閣支持率は不支持が上回っており、有権者の積極的な支持を得たとは言い難く、首相にはおごらず国民に目を向けた謙虚な姿勢で政権運営に臨んでもらいたい。
本県関係では県内7小選挙区、比例代表の当選者が決まった。それぞれの立場で国政に臨むことになるが、県民が誇れる政治家としてその活躍を期待したい。国政は憲法改正、安全保障、消費税をはじめ重要課題が山積している。国のあるべき姿をきちんと考え、意見を述べ、国民が望む姿に導いてもらいたい。併せて地方の課題に大いに腕を振るってくれることを期待したい。
与党が引き続き多数の議席を獲得したことで、安倍首相は来年秋の自民党総裁選で3選を目指し、2021年までの長期政権を視野に入れた政権運営に臨むことになる。直面するのは日本の将来を左右する難題ばかりだ。
まず北朝鮮への対応である。首相は選挙演説で北朝鮮の脅威を強調し、圧力を一層強化する方針を訴えた。11月初めに来日するトランプ米大統領は「全ての選択肢がある」として軍事力行使を否定していない。日米両首脳が今後、北朝鮮とどう向き合っていくのか。衆院選に臨んだ国民が朝鮮半島での有事を望んでいるわけではない。平和的解決に向けた外交努力をさらに重ねてもらいたい。
憲法改正も大きな焦点となろう。希望が改憲を主張したことで、改憲に前向きな勢力が国会の改憲発議に必要な「3分の2以上」の議席を占めることになる。自民は改憲論議を急ぐ構えだが、各党が重視する条項は異なっている。丁寧な議論が求められる。
首相は少子化対策として教育の無償化や子育て支援を訴え、19年10月に10%へと引き上げる消費税の増収分を振り当てると主張した。野党も消費税増税の凍結や教育無償化を主張したが、財源について踏み込んだ提案はなかった。財政再建の先送りは将来世代にツケを回すことになる。具体的な少子化対策と財政再建への取り組みについて国会できちんと議論する必要がある。
学校法人森友学園と加計学園を巡る疑惑も残る。選挙によって問題が清算されたわけではない。首相にはさらに説明を求めたい。
今衆院選で、野党の混乱は目に余るものだった。過去の反省から野党内では候補一本化の協議が続いていた。しかし首相の解散表明直後に野党第1党の民進党が候補を立てないことを決定。小池百合子東京都知事が率いる新党・希望の党への合流に動いた。ところが安全保障法制への見解の転換を迫る「選別」と「排除」によって、民進党は分裂、政権批判票の受け皿は分散してしまった。
希望の理念、政策に賛同しない勢力が結成した立憲民主党が躍進したのは、政党にとって基本理念や政策がいかに重要かを示すものであろう。与党に対抗する受け皿として、野党の立て直しは大きな課題である。

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