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【熊本日日新聞】 県内 切実な声を国政へ届けよ

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 熊本1~4区はいずれも自民党の前職が議席を維持。野党各党や諸派、無所属の候補者は政権批判票の受け皿となれず敗れた。
 熊本地震からの復旧・復興、人口減少に伴う疲弊…。熊本県の課題を前に、有権者は安倍政権を支えてきた自民党候補者に再び未来を託した。だが、この結果を政治の現状に対する全面的な信任と結論づけるのは早計だ。
 被災者の生活再建をはじめとする県内の懸案は、解消に向けた取り組みの途上で、ゴールはまだ見えない。政権政党として必要な施策を速やかに進めてほしいという切実な願いが支持につながったことを、当選した4氏は肝に銘じてほしい。
 選挙区別にみると、初の与野党一騎打ちとなった1区は、地震の復興支援や憲法改正の必要性を強調した自民前職が制した。希望の党前職は消費税増税の凍結などを訴えて政権批判を強めたが、反自民票をまとめきれなかった。
 4人が競った2区は、県内小選挙区で最年長候補の自民前職が16選。自民の公認を得られなかった無所属新人、社民党新人、幸福実現党新人を退けた。3区は、自民前職が被災地支援の継続などを訴えて共産党新人に圧勝した。
 区割り改定で新たな枠組みとなった4区では、旧4、5区の自民前職が候補者調整で比例と選挙区に分かれて立候補したことが奏功した。立憲民主党元職は党の追い風を受けて支持を伸ばしたが、及ばなかった。
 県内の有権者は暮らしに直結する争点を投票の基準に据えたようだ。熊本日日新聞社が15~17日に実施した電話世論調査では、重視する政策として「年金・医療・介護」を挙げた人が最も多く、2位の「憲法」を上回った。3位以降も「地方活性化・人口減対策」「少子化対策・子育て」が続いた。
 再選した4氏がこうした課題への対応を怠れば世代交代を求める声も出てこよう。自身の支持者だけでなく、すべての県民の切実な声を誠実に国政に届け、施策の早期実現につなげてほしい。
 野党各党は、組織基盤の弱さをあらためて露呈した。全選挙区で候補者を一本化しながらの完敗である。希望の旗揚げと民進党の分裂によって共闘にきしみが生じた面もあろうが、言い訳にはなるまい。今後は県内でも野党再編の動きが加速しそうだ。民意の受け皿となるには、地域社会の隅々まで分け入り、県民の訴えに真摯[しんし]に耳を傾けるほかない。

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