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【岩手日報】 <衆院選>連立与党が勝利 多様な声に謙虚であれ

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 「国難」を訴えて解散した安倍晋三首相の思惑通りと言うべきか。22日投開票の衆院選は、与党の自民、公明両党が「勝敗ライン」の過半数を軽々と超える勝利。「安倍1強」の構図は変わらない。
 首相は来年9月の自民党総裁選での続投は堅い。2021年までの長期政権が視野に入った。だが、この勝利ですべての問題が清算されたわけではない。長期政権だからこそ謙虚な姿勢を求めたい。
 思い出してみよう。首相が「国民の声に耳を澄ませる」と誓って神妙に頭を下げたのは、内閣改造直後の8月。相次ぐ不祥事や「森友・加計学園問題」などで支持率が低下したからだ。
 しかし、野党の国会召集要求を無視した揚げ句、ようやく開いた臨時国会では所信表明演説も行わないまま冒頭解散した。
 民主主義の根幹は多様性や少数意見を尊重するということだ。だがこの政権は論戦を通じて丁寧に合意形成を図ることをせず、最後は数の力で押し通してきた。
 にもかかわらず、与党は大勝した。その要因は離合集散で野党共闘の枠組みが崩れ、候補者が乱立し政権批判票が割れたことが大きい。
 内閣支持率は不支持率を下回っており、国民がすべてを白紙委任したとまでは言えまい。「1強」のおごりに向けられる国民の厳しい視線を忘れるべきではない。
 与党に希望なども加えると改憲勢力は3分の2を大きく上回ることが確実。自民党は改憲論議を急ぐ構えだが、首相が選挙演説で改憲に触れる場面はほとんどなく、各党の姿勢も異なっている。丁寧な議論が求められる。
 北朝鮮への対応では、首相は軍事力行使を否定しないトランプ米大統領方針の支持を打ち出している。平和的解決に向けた冷静な議論が今こそ欠かせない。
 今回の結果を見る限り、日本では二大政党制の定着は難しいという思いが強まった。小池百合子東京都知事率いる希望の党は風を巻き起こすかに見えたが、「選別」「排除」で失速した。
 一方で、右から左までの寄り合い所帯だった民進党が分裂し、これまでぼんやりしていた「リベラル」が立憲民主党という形で明確に姿を現した。共産党も含めて一定の位置を占めそうだ。
 「改革保守」「リベラル」に分かれた野党はこのまま進むのか。それとも、与党も巻き込んでどこかに収れんする場面もあるのだろうか。
 本県の3小選挙区は希望、自民、無所属の前職が当選した。区割り改定で小選挙区選出の議員は1人減った。それだけ重い責任が肩に掛かることを自覚してほしい。
 

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