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【秋田魁新報】 [2017衆院選]自公政権継続 求められる熟慮の政治

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 第48回衆院選は、自民、公明両党の議席が過半数(233)を大きく上回った。本県の3小選挙区は、いずれも自民党、希望の党、共産党の三つどもえとなったが、2012年の前々回、14年の前回に続き、自民が議席を独占した。有権者は5年近くに及ぶ「安倍政治」の継続を選択したことになる。
 だが、自公が強かったというよりも、野党の迷走ぶりが際立った選挙だった。安倍1強政治の打破を掲げた希望は、民進党からの合流で勢いを付けるかに見えたが、候補者を選別したことが批判されて、大きなうねりを生み出せなかった。期待がしぼみ、自公を利する結果となった。
 代表の小池百合子東京都知事が立候補しなかったことも、失速を招いた大きな要因だろう。当初は政権選択選挙と位置付けながら、誰を首相候補にするかがはっきりしないままで、有権者にとっては分かりにくい選挙になった。
 そうした中、希望に合流せず、リベラルの旗を掲げて発足した立憲民主党が躍進した。集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法は違憲と主張するなど理念を明確にし、安倍政権との対決姿勢を鮮明にしたことは、対立軸として分かりやすかったのだろう。一方で、野党が分裂したことが自民の勝利につながった。
 安倍政権はこれまで、安保関連法に加え、共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法などの重要法案を、数の力によって次々成立させてきたが、その都度多くの国民から、強引な政治手法を批判する声が上がった。さらに長期政権を担うに当たり求められるのは、反対意見にも謙虚に耳を傾け、慎重に議論を積み重ねて結論を見いだす熟慮の政治だ。
 特に憲法改正については丁寧に議論を進めることが重要だ。自民は今回、自衛隊の存在を憲法9条に明記する改憲を公約に掲げたが、党内でもほとんど議論されておらず、拙速感は否めない。自衛隊明記を含め9条改正には立憲民主や共産などが反対しており、幅広い賛成を得るための努力が必要だ。
 消費税の使途変更も重いテーマだ。自民は2019年10月に消費税を8%から10%に引き上げる際、増収分の一部を当初予定していた借金返済に充てず、幼児教育無償化などに振り向けるとした。だが国と地方の借金は1千兆円に膨らんでおり財政再建は急務だ。使途変更と財政再建をどう両立させるのか、明確な道筋を早急に示すべきだ。
 森友学園・加計(かけ)学園問題により安倍晋三首相への信頼は損なわれ、内閣支持率は大きく落ち込んだ。だが選挙期間中、首相はこの問題を国民に丁寧に説明したとは言い難い。真摯(しんし)に答えて疑いを払拭(ふっしょく)するのが政治家の務めだろう。今後どう語るか、国民が注視していることを忘れてはならない。

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