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【社会新報】 総選挙結果 原則に立ち返り野党共闘再構築を

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 最高権力者が最先頭で「国難突破選挙」「この国を守り抜く」と叫んで衆院を解散するという、「ディストピア(ユートピアと逆の社会)選挙」との指摘もあった総選挙が終わった。台風の影響は否定できないとはいえ、戦後最低を記録した前回に次ぐ2番目の低投票率の下、自公の与党は3分の2を超え、改憲志向の野党を加えれば改憲勢力はさらにふくらんだ。安倍首相は、一見低姿勢を装いつつ野党に憲法論議の土俵に乗ることを促し、3分の2改憲連合の組み合わせの選択肢が広がったことを誇示しているようにも思える。自民党が公約で憲法への「自衛隊明記」を掲げた選挙に勝利したことの意味を、ほどなく実感せざるを得ない状況になるだろう。
 しかし、自公与党のシェアが増えてはいないことは、今回の選挙の主役が野党陣営を分断した希望の党の小池代表による劇場型政治であったことを物語っている。希望の「排除の論理」は少なからぬ民進党出身者の反発を招き、あわただしく発足した立憲民主党が野党第1党に躍り出る一方、希望は失速するという強烈な反作用を呼んだ。これは裏を返せば、小選挙区制を前提とした「政権交代可能な2大政党制」を目指して、基本政策上の本来的な合意を棚上げしたまま、主に保守系政党との合併による膨張を繰り返した旧民主党の歩みの一つの帰結であることは否定しがたいだろう。
 単純にそれ見たことか、などと言いたいのではない。現実問題、社民党と立憲民主との間にも、辺野古新基地建設への態度や対米軍後方支援の評価など、違いはある。問題は、差異を表面上糊塗してひとくくりにするのではなく、戦争法反対運動の中で共有、確認された「多中心的」な構造を持つ共闘として発展させること、その連携の結節点に政治の基本中の基本ルールである立憲主義の擁護を置くことであり、戦争法廃止と安倍9条改憲反対はそこから必然的に導き出されるスローガンにほかならない。
 先に、民進分裂はその進路自体にはらまれていたと述べたが、分裂の引き金をひいた希望の発足は、野党共闘の前進が背中を押したものだという側面がある。因果はめぐる。依然として危機的状況から抜け出せない社民党ではあるが、厳しい自己切開を伴う総括と同時に、共闘の大道を踏み外さず、その原則の堅持を自他共に求めるという態度を貫く中から、党の存在意義を高めていくしかない。 (社会新報2017年10月27日号・主張より)

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