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【河北新報】 日米首脳会談/平和的解決共有してこそ

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 安倍晋三首相と、初来日したトランプ大統領との日米首脳会談がきのう行われた。
 1月の大統領就任以来、直接会談は早くも5回目。安全保障の基軸である日米同盟をより強固にする意味でも、個人的信頼関係が深まることは歓迎すべきことに違いない。
 中心議題となったのは、核・ミサイル開発を進める北朝鮮問題だ。国連の制裁決議履行を軸に、国際社会と連携し圧力を「最大限に」高めて朝鮮半島の非核化を目指すことで一致したという。
 同時に安倍首相は、「全ての選択肢がテーブルの上にある」とし、軍事的選択肢も排除しないとするトランプ氏の立場に支持を表明した。
 だが、そのことについては大いに疑問が残る、と言わざるを得ない。
 両首脳は、中国の役割を重視し働き掛けを強めることも確認した。そうして国際包囲網の強化を図るのは「北朝鮮から『政策を変えるから話し合いたい』との状況」(首相)をつくりだすためである。
 それは外交的解決への道筋だ。トランプ政権にとっても「米国の目標は戦争ではなく、完全かつ検証可能で不可逆的な朝鮮半島の非核化だ」(マティス国防長官)。
 共に平和的解決を目指すのであれば、その目標を大統領本人とも改めてしっかり共有すべきだったのではないか。圧力を強めつつ、いかに対話の道を探るかについて、共通認識を深めてほしかった。
 どんな軍事オプションであれ、北朝鮮から反撃を受ける公算は大きい。害を被るのは韓国、日本である。
 軍事的衝突を絶対に起こしてはならない。衆院選で国民の生命と財産を「守り抜く」と約束した首相がなすべきことは、米朝の間で高まったまま鎮まることのない緊張の緩和に努めることではないか。
 北朝鮮を巡る過激で奔放な発言を慎むよう、せめて大統領に「助言」すべきだった。北朝鮮が核を持つ動機が米国から体制保証を得るためだとすれば、緊張緩和の糸口となり得る最大の手だては「対話」であろう。外交的手段を忌避せぬよう「進言」したとしても不思議はない。
 こうしたやりとりがなかったのだとしたら、残念というほかはない。
 トランプ氏は、北朝鮮による拉致被害者家族らと面会。核・ミサイル問題にとどまらず、解決すべき国家犯罪・拉致問題があることを国際社会に改めてアピールできた。その意義は大きいといえる。
 ただ、通商問題を巡っては火種を残した形だ。首相は日米経済対話の枠組みの中で成果を出していく考えを示したのに対し、大統領は日本との間の貿易不均衡是正と赤字削減に意欲を表明。一層の市場開放を求めた。
 農産物をも標的にした日米自由貿易協定(FTA)の交渉開始を求めてくる可能性が十分にあるのではないか。

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