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【河北新報】 日本人拉致問題/具体的な行動を起こす時だ

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 北朝鮮による拉致被害者家族の悲痛な思いをしっかりと受け止めて、全員の帰国に手を携えてほしい。
 トランプ米大統領が6日、横田めぐみさん=失踪当時(13)=の母早紀江さん(81)ら家族会のメンバーと都内で面会した。安倍晋三首相と共に、解決に向けて尽力する意向を示したという。
 さらに記者会見では「金正恩(朝鮮労働党委員長)が被害者を帰国させるようなことがあれば、素晴らしいシグナルになる」と語り、北朝鮮情勢打開のきっかけになり得るとの考えをにじませた。
 今年でめぐみさんが拉致されてから40年、家族会結成から20年がたつ。節目の年に、北朝鮮に対して強硬姿勢を取るトランプ氏が理解を示したことは意義がある。
 ただ、家族らは2006年、14年にいずれも当時大統領だったブッシュ、オバマ両氏と面会し問題解決の支援を求めたが、事態は進展してこなかった現実がある。今度も「政治パフォーマンス」に終わらせてはなるまい。
 何の罪もない日本人が、ひそかに独裁国家に連れ去られた。幽閉状態にあると言われており、精神的にも追い詰められているに違いない。高齢化が進む家族にとっては残された時間が限られている。「もう待てない」という家族の叫びは痛いほど分かる。
 政府が認定した拉致被害者17人以外にも、拉致の疑いを否定できない特定失踪者が、東北を含め全国各地に数多くいるという。私たちの家族だって巻き込まれたかもしれない。わが事と受け止め家族会を支援していきたい。
 政府は協力を約束したトランプ氏と足並みをそろえ、異常な国家犯罪を国際社会に訴え続ける。ひたすら圧力をかけて金委員長を交渉のテーブルに着かせ、譲歩を引き出す努力を重ねていく。ただ、それだけでいいのか。
 国際社会は、核実験を繰り返し大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発にまい進する北朝鮮に、制裁強化という厳しい包囲網を築いている。
 日本だけが抜け駆けする形で独自に交渉するのは難しいかもしれないが、手をこまねいているだけでは事態が進展しないのも確かだろう。
 帰国した被害者の一人、蓮池薫さんは「日本の独自外交に対し、米政府が理解と支持をしてくれる環境づくりの段階にする必要がある」と訴えていた。
 02年、当時の日朝首脳会談で、金正日総書記が拉致を謝罪し5人を帰国させたのは、小泉純一郎首相が電撃的に訪朝して直談判したからだ。
 政府は米国だけでなく、同様の拉致被害者がいる韓国と結束して、北朝鮮の核・ミサイル開発の問題と同時解決する道を模索してほしい。
 安倍首相は「家族を抱き締めることができるまで全力を尽くす」と誓う以上、具体的な行動を起こすべき時だ。

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