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【西日本新聞】 座間事件 「自殺願望」とSNSの闇

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 異様な事件は容疑者の新たな供述のたびに衝撃度を深めている。
 神奈川県座間市のアパートで9人の切断遺体が見つかった。死体遺棄容疑で逮捕された27歳の男は、自殺願望者をインターネット上で物色し、自宅に誘い込んで殺害した、という。
 9人の中には複数の女子高生も含まれるとみられる。被害者の住所は東京、神奈川、埼玉のほか、群馬、福島など各地に及ぶ。
 事件の最大の特徴は、その猟奇性とともに、ネット上の会員制交流サイト(SNS)が容疑者と被害者の接点になった点である。
 SNSは時間や場所を選ばず人と人を結ぶ便利な情報交換の手段だ。だが、そこには匿名性の恐ろしさが潜む。容疑者の供述が事実とすれば、その匿名性が最も卑劣な形で悪用されたといえよう。
 ネット情報の規制は進んでいる。悪用した犯罪が後を絶たないことから2003年には男女の出会い系サイト規制法ができた。接続業者による監視も厳しくなった。それでも「表現の自由」との兼ね合いで完全な規制は難しい。
 供述によれば、容疑者は「首吊(つ)り士」など自殺を連想させる複数のアカウントを使い、連絡してきた女性らに「一緒に安楽死しよう」などと誘っていた。
 自殺サイトなどの特徴は、他人の書き込みを見ているうちに死への気持ちが高まりがちになることだという。容疑者と実際にやりとりしていた10代の女性は事件を知ってわれに返り「悩みを聞いてほしかっただけ」と振り返った。容疑者も「本当に死にたい人はいなかった」と供述している。
 総務省によると、15年時点で10代のスマートフォン利用率は82%、SNS利用率は81%に上る。SNSによる未成年者の犯罪被害も増加傾向にある。どう指導すべきか。家庭や学校で考えたい。
 同時に、孤独や疎外感に悩む人たちを支援する仕組みも時代に即して整えていきたい。ネット対応も含めて救いの手を差し伸べる適切な方法はないのか。社会全体で取り組むべき課題だろう。 →電子版1周年記念!1万円分賞品券やQUOカードが当たる!!

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