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【読売新聞】 トラック運賃 サービス労働を防ぐ新ルール

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 荷物を受け取る工場で何時間も待たされる。荷物の積み下ろしに動員される。トラック運転手には日常的に様々な付随作業が課せられている。
 個々の作業に対応した料金を契約に明示する新たなルールが始まった。的確な運用で、ドライバーの労働改善につなげたい。
 国土交通省は、改正「標準貨物自動車運送約款」を今月施行した。工場や倉庫を回る運送業者が荷主と結ぶ契約書のひな型になる。
 荷待ちのための「待機時間料」、荷物の「積み込み料」、「取り下ろし料」など、運送以外の業務で生じる料金を、個別の請求項目とする仕組みに改めた。
 従来は一括の「運賃」名目とするのが一般的で、付随作業に対して運送業界に「タダ働きではないか」との声があった。荷主がドライバーを長く待機させても「運賃」に影響しないため、長時間労働を助長するとの指摘も出ていた。
 細分化された作業内容を契約書に明記することで、ドライバーの過重な負担や不当な安値契約を防ぐ。その狙いはうなずける。
 運送業界は、高齢化や担い手不足が他業界にも増して深刻化している。一因は、拘束時間の長さにあり、ドライバーの年間労働時間は全産業平均より2割も多い。
 新ルールは、作業項目ごとに、時間に応じて料金が加算される方式とした。荷主がドライバーの拘束に敏感になり、長時間労働を是正する効果が見込めよう。
 中小零細が多い運送業は、大手の荷主に対して立場が弱い。運送業界自体、下請けの多層構造でもある。肝心なのは、荷主企業や元請けが新ルールの趣旨を尊重し、現場のドライバーに確実に作業対価を行き渡らせることである。
 トラックは、歩合給や出来高給を採用しているケースが多い。ドライバーの作業内容や所要時間の正確な把握が欠かせない。
 トラック料金を適正化する新ルールは、運送業界が労働環境の改善に向け、積極的に経営資源を振り向けることも期待している。
 既存のドライバーへの配慮に加え、人手不足の解消に資する取り組みが求められる。女性や若者を呼び込みやすい勤務形態や研修の充実が当面の課題となろう。
 運送料金の改定で荷主の支払いが増えるケースでは、小売価格に転嫁され、商品の値上がりを招く可能性が拭えない。
 消費者負担を避けようと流通過程にコストがしわ寄せされれば、安定供給を揺るがしかねない。そんな現実にも思いを致したい。

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