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【西日本新聞】 米中首脳会談 世界秩序へ責務を果たせ

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 米国と中国という二つの大国は、これからどうせめぎ合い、また協調していくのか。国際秩序の行方を占う会談が行われた。
 トランプ米大統領が中国を訪れ、習近平国家主席と会談した。
 喫緊の課題である北朝鮮問題を巡り、会談後の共同記者発表でトランプ氏は「われわれの肩に重い責任がかかっている」と習氏に呼び掛け、中国に圧力強化を迫った。対する習氏は「対話による解決を探ることが重要」と、軍事的圧力に傾く米国をけん制した。
 貿易不均衡問題に関して、この会談を機に両国は計約2500億ドル(約28兆円)に及ぶ巨額の商談をまとめた。米国内の雇用拡大を重視するトランプ氏に中国が花を持たせ、協調を演出した格好だ。
 ただ、こうした駆け引きを超えて、米中関係の先行きを展望すれば、そこには不透明感が漂う。
 先月の共産党大会で権力基盤を固めた習政権は「世界トップレベルの国家」「世界一流の軍隊」の目標を掲げた。米国と肩を並べる超大国化への意欲を隠さない。
 「米国第一主義」を掲げるトランプ政権は、既存の国際協調の枠組みや合意を軽視する姿勢が目立つ。一方、中国は米国の影響力低下に乗じるように、新たな国際秩序の形成に乗り出している。
 気になるのは、習氏が会談後の共同記者発表で「太平洋には中国と米国を受け入れる十分な空間がある」と語ったことだ。事実上「アジアは中国に仕切らせろ」という意思表示とも解釈できる。
 中国は南シナ海で仲裁裁判所の判断を無視して軍事拠点化を進めている。「法の支配」の原則を軽視する中国主導の秩序形成は周辺諸国の支持を得られない。米国は自由で公正な秩序の担い手としての責務を改めて自覚してほしい。
 米国が国際協調を重視する外交の本道に戻るとともに、中国も多国間の枠組みに配慮して、排外主義にも覇権主義にも陥らない国際秩序を形成していくべきである。
 米中ともに自国だけの利益や国威の誇示に固執せず、対話を重ねて世界の安定に寄与してほしい。 →電子版1周年記念!1万円分賞品券やQUOカードが当たる!!

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