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【北國新聞】 新幹線の大阪延伸 財源確保へ必要性の浸透を

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 北陸新幹線の大阪延伸について、経団連の榊原定征会長が前倒しの実現に期待感を示した。延伸を急ぐ理由としては、早期の全線開業によって得られる効果の大きさを挙げた。
 北陸新幹線に関する見解は金沢市で北陸経済連合会と懇談した後の会見で示された。地元の意向に配慮した面もあるのかもしれないが、経団連会長として全線開業の意義を説いたのは歓迎できる。
 その前日に北経連は関西の経済団体と意見交換し、早期の大阪延伸を目指して連携する方針を確認した。北陸以外の経済団体にも北陸新幹線の必要性が意識されるようになってきたのだろう。それでも、全線開業を前倒しするために解決を要する課題の大きさを考えると、早期開業を求める機運の広がりは、まだ十分とは言えない。
 とりわけ2兆1千億円と試算された整備費の確保は難航が予想される。建設財源の高い壁を乗り越えるためには、北陸新幹線に対する期待を一段と高める取り組みが求められる。大阪までの全線整備を急ぐ必要があるという認識の浸透を急ぎたい。
 経団連の榊原会長は北陸新幹線を整備する意義を具体的に示した。三大都市圏や隣接地域との結び付きが強まることで広域経済圏が形成され、広域観光にも貢献するとの見解はもっともである。非常時に東京と大阪を結ぶ交通のバイパス機能を果たす点に言及したことにも注目したい。
 太平洋側では南海トラフ地震の対策が課題になっている。東海道新幹線の運行が困難になれば、日本海側を通って東京と大阪をつなぐ北陸新幹線は迂回(うかい)路として重要な役割を果たす。代替機能の大きさは建設財源を確保する上で有力な根拠になるだろう。
 災害時に北陸新幹線が東海道新幹線の代役を担うことは、どこまで知られているのだろうか。今年3月には大阪までのルートが決まったものの、関西では北陸新幹線よりリニア中央新幹線に対する関心の方が大きいのかもしれない。
 大阪延伸に向けては今後、整備費の地元負担が課題になる。関西の調整が円滑に進む環境をつくるためにも、北陸新幹線の必要性を浸透させていきたい。

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