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【朝日新聞】 「多弱」の野党 再編より、まず政策だ

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 希望の党の共同代表に玉木雄一郎氏が選ばれ、四分五裂した野党の新体制が固まった。
 野党の一部にはさらなる野党再編や統一会派、旧民進党勢力の再結集に期待する声もある。だがその前に、各党にはまずなすべきことがある。
 政党としてどんな政策を重視し、どんな社会をめざすのか。党内で徹底的に議論し、国民に分かりやすく示すことだ。
 突然の衆院解散を機に生まれた、にわかづくりの政党にとっては、本格的な政策論議はまさにこれからだ。
 原発ゼロ実現への道筋は。少子高齢化に向けた負担と給付のあり方は……。政権与党への対抗軸になり得る政策を、それぞれの党内で鍛えてほしい。
 同時に、野党には忘れてならない役割がある。
 政権与党の慢心や暴走を厳しくチェックし、政治に緊張感をもたらすことだ。「1強多弱」と言われる国会だからこそ、巨大与党に立ち向かうには、野党間の協力が欠かせない。
 選挙戦では「謙虚」を誓った自民党だが、早くもおごりが頭をもたげている。衆院選大勝の勢いに乗り、国会で野党の質問時間を削ろうというのだ。
 衆院予算委員会で「野党8対与党2」だった質問時間の割合を「5対5」にしたいと、自民党がきのう野党第1党の立憲民主党に申し入れた。
 実現すれば、行政府を監視する立法府の機能が低下しかねない。森友・加計学園の問題をめぐる野党の追及の場を減らす狙いもうかがえる。
 この自民党の数の横暴に、力をあわせて歯止めをかけられるか。野党の協力が試される。
 あわせて、野党の側も各党が似た質問を繰り返しがちな現状を改める工夫をすべきだ。
 そのためにも、森友・加計問題で、各党のプロジェクトチームのうえに野党合同のチームをつくってはどうか。
 その場を通じて各党の質問を調整し、党派を超えて二の矢三の矢を放つような質問ができないか。そうなれば国会審議は活性化するはずだ。
 「違憲」の安全保障法制をどう正すかなど各党に差がある政策についても、合同で協議し、折り合える点、折り合えぬ点を確かめ合う場が必要だろう。
 そうした話し合いを重ねるなかで、中長期的な野党連携のあり方が見えてくるはずだ。
 2019年夏には、参院選がある。野党が再びバラバラに臨めば、今回の衆院選のように政権与党を利するだけだ。野党各党の自覚が問われている。

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