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【読売新聞】 「加計」獣医学部 教育の質確保が最優先課題だ

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 半世紀ぶりの獣医学部新設を、地域に役立つ獣医師の育成につなげなければならない。
 文部科学省の大学設置・学校法人審議会が、加計学園が申請していた岡山理科大獣医学部の来春の開設を認めるよう答申した。
 利害関係や政治的圧力を排した専門家による機関の審査をパスした事実は重い。林文科相は近く認可する意向を示している。
 四国は獣医学部の空白地だ。鳥インフルエンザや口蹄疫(こうていえき)などの対応に当たる公務員獣医師の確保は急務だと言える。
 愛媛県今治市は、県とともに建設費など最大96億円を補助する方針だ。地元出身者の入学枠などを有効に機能させて、獣医師の偏在を解消することが大切である。
 獣医学部の新設は、獣医師の過剰を招くとして、1966年を最後に認められなかった。規制改革を進める国家戦略特区諮問会議が今年1月、今治市への設置を認め、加計学園が事業者に選ばれた。
 設置審に申請された当初計画に対しては、多くの課題が指摘された。国内最大の入学定員160人に対して教員が不足し、実習計画も不十分だとして、8月の予定だった認可は保留となった。
 地域のニーズに応えるためには、質の高い教育を安定的に行う態勢整備が欠かせない。審査が専門的、学術的な観点から厳格に行われたのは当然だと言えよう。
 学園は定員を減らす一方で、教員を増やした。先端的な生命科学分野や感染症に関する科目を拡充した。設置審は、教員の年齢構成の見直しなどの留意事項を付した上で、新設を容認した。
 文科省は開学後も、適切な運営が行われているかどうか、しっかりとチェックすべきだ。
 国家戦略特区の選定を巡っては、学園理事長と安倍首相が友人であることから、「加計ありきだ」と野党が追及した。首相は疑惑を一貫して否定した。実際、直接の関与を裏付ける証拠はない。
 野党は、特別国会でもこの問題の経緯を追及する構えだが、建設的議論になるのだろうか。
 問題なのは、特区選定に関する省庁間調整や政府関係者と学園側の接触の記録が適切に保存されていないことだ。特区ワーキンググループの議事要旨が意図的に修正された事実も判明している。
 政府は行政文書管理の指針を改正し、検証に必要な文書を1年以上保存することを検討する。政策決定過程を積極的に公開し、行政への信頼を高める必要がある。

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