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【西日本新聞】 出国税 安易な発想は通用しない

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 取りやすいところから取る。安易な発想としか思えない。
 政府が導入を計画している「出国税」のことだ。訪日外国人旅行者を増やすため、新たな観光財源にする狙いがあるという。
 観光庁の有識者会議が、日本を出国する際に訪日外国人旅行者や日本人を対象に徴収する新税「出国税」の導入を盛り込んだ中間報告をまとめた。東京五輪・パラリンピック前の2019年度までの導入を求めている。
 出国税は航空機や旅客船で出国する旅行者を対象に、チケットに上乗せするなどして徴収する。
 海外では導入事例があり、観光振興の財源として活用しているケースが多いとされる。オーストラリアは60豪ドル(約5千円)を課税し、韓国は出国納付金として1万ウォン(約千円)を徴収している。
 中間報告によると、徴収額は韓国など近隣諸国の徴収金額とのバランスや、訪日客数に影響を与えない程度の負担とするよう配慮し、「1人当たり千円を超えない範囲とするのが妥当」とした。
 航空機の場合は施設利用料と同様に航空券の購入時に徴収する。旅客船は、航空機のように確立された支払いの仕組みがないため、引き続き検討するという。
 昨年1年間の訪日客と日本人の出国者は計約4千万人だった。1人千円なら現在の観光庁予算(17年度は210億円)の倍近い約400億円の収入になる。使い道は最先端技術を使った出入国管理の保安強化や手続きの迅速化、標識の多言語対応などを想定する。
 政府は20年に訪日客を4千万人にする目標を掲げている。「観光立国」に向けて環境整備の必要性は理解できる。ただ、新税を創設しなければ対応できないのかという疑問は膨らむ。使途は各省庁にまたがるため、新税が「ばらまき」に使われる懸念も拭えない。
 観光業界には「訪日観光に水を差すことになりはしないか」と慎重な意見も少なくない。
 税の新設には納税者の理解と納得が不可欠だ。拙速な導入に走らず慎重な検討を政府に求めたい。 →電子版1周年記念!1万円分賞品券やQUOカードが当たる!!

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