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【富山新聞】 とやま農業経営塾 中核となる担い手の育成を

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 富山県の「とやま農業未来カレッジ」に新設される農業経営塾の受講希望者が、申し込みの受け付け開始から3週間余りで定員の20人に達し、開講1カ月前にして早々に募集を締め切った。農作物の栽培技術にとどまらず、農業経営全般を体系的に学べる実践的な研修内容が評価され、キャンセル待ちの人もいるという。
 農業経営塾は12月から来年2月までの延べ21日間にわたって開講され、全48時限のうち3分の2が農業経営に特化したカリキュラムとなっている。経営戦略や販売計画のほか、農業簿記や財務管理、資金計画など専門性の高い研修を通して、富山の農業の中核となる経営感覚に優れた担い手が育つことを期待したい。
 とやま農業未来カレッジは2015年4月に開設され、主として新規就農者を対象に、農業の基礎的な知識を学ぶ座学や実習、農機具演習などの通年カリキュラムが組まれている。これまでに1期生16人、2期生14人が農業の現場に巣立った。
 富山県によると、昨年度の新規就農者88人のうち県外出身者は14人を占め、2001年度以降では最多となった。県は、とやま農業未来カレッジの開設が寄与したとみており、農家の高齢化や担い手不足が深刻化する中、就農者を確保するうえで同カレッジが一定の成果を挙げているのは間違いないだろう。
 ただ、国によるコメの生産調整(減反)や減反農家への直接支払い交付金制度が来年から廃止されるなど、国内農業は大きな転換期にある。持続可能な足腰の強い農業を確立していくためには、就農者も経営に関する専門知識が求められている。
 その意味で、とやま農業未来カレッジに農業経営塾を新設したことは時宜を得たものと言える。短期間で受講希望者が定員に達したのも、若手就農者を中心に、農業経営に対する関心が高いことの証左だろう。
 農業を取り巻く環境は厳しさを増すばかりであるが、意欲ある就農者が高度な栽培技術と経営知識を身につけ、新しい富山の農業モデルを確立するよう望みたい。

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