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【毎日新聞】 社説 文書管理ガイドライン改正 まず公務員の意識改革を

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 保存と公開を前提に、権力の行使を国民がチェックできる公文書管理を実現しなければいけない。
 「森友・加計」問題や陸上自衛隊の日報問題でずさんな公文書管理の実態が明らかになる中、政府は有識者で作る公文書管理委員会にガイドラインの改正案を提示した。
 行政の意思決定過程や事業実績の検証に必要となる文書は、1年以上の保存を原則とするよう改めた。
 文書の作成にあたっては、複数の職員の確認を経ることとし、各行政機関が外部と打ち合わせた文書については、可能な限り相手方に発言内容を確認することを盛り込んだ。
 ガイドラインは、公文書管理法に基づく適切な文書管理のため、内閣府が策定する。各省庁が管理規則を定める際のひな型になるものだ。
 見直しの焦点になったのは、保存期間「1年未満」の文書や省庁間の打ち合わせ文書の扱いだった。
 保存期間は省庁の規則で決められている。「1年未満」に分類されると、廃棄の記録を残す必要がない。
 この恣意(しい)的な運用が、財務省による国有地売却記録の廃棄や、防衛省による国連平和維持活動(PKO)日報の不適切な扱いにつながった。
 改正案が、「1年未満」に分類できる文書を具体的に例示し、どんな文書を廃棄したかを記録・公表することにしたのは評価できる。
 ただ、内部の職員が文書の重要性を判断する点は変わらない。補佐役の職員を求めたのは前進だが、何らかの形で第三者の意見を聞く仕組みも導入すべきではないか。
 外部折衝の文書に正確性を理由として相手の確認を求めたことも懸念材料だ。政治的な妥協の結果だけが残る恐れはないのか。省庁間の受け止め方の違いをありのまま記録することが、加計問題の教訓である。
 政府は、この改正案について意見を公募したうえで、来月決定する。それが各省庁の管理規則に反映するまで見届けなければならない。
 不祥事を受けて、ガイドラインの改正は大がかりになった。将来は法改正も検討すべきだろう。
 絵に描いた餅にしないためにまず必要なのは、公務員の意識改革だ。公文書は「民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」である。この法の趣旨を再確認してほしい。

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