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【読売新聞】 日露首脳会談 政権安定を領土交渉に生かせ

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 政権基盤の安定を生かし、領土交渉の進展や北朝鮮の核ミサイル開発阻止で、ロシアの協力を引き出すことが重要だ。
 安倍首相が、プーチン露大統領とベトナムで会談した。通算20回目となる。
 自民党の衆院選大勝について、プーチン氏は「これにより、我々の計画がすべて実現できると期待している」と祝意を述べた。
 外交辞令の意味合いもあろう。だが、両首脳の自国での求心力が高ければ、困難な決断を下しやすくなるのは確かだろう。
 首相とプーチン氏は北方4島の共同経済活動を巡り、9月の会談で合意した海産物の養殖や観光ツアーなど5項目の事業に関し、検討を加速することで一致した。
 共同経済活動の成否は、今後の領土交渉の行方を左右する。粘り強い交渉が求められる。
 プーチン氏は来年3月に大統領選を控える。再選が確実視されているとはいえ、この間は大きな政治判断は見込めない。首相は選挙後の5月に訪露し、プーチン氏との間で具体的な合意を目指す。
 日露両政府は、今月中にロシアで外相会談を開く方向だ。共同経済活動の枠組みに関する作業部会も年内に開催する。
 ロシア側は自国法の適用にこだわり、一致点を見いだすのは容易ではない。警察権、徴税権など、双方の法的立場を害さないという前提を崩さないことが大切だ。
 9月下旬、元島民と家族らが墓参のため、航空機で初めて国後、択捉両島を訪れた。船による渡航に比べて時間が大幅に短縮され、高齢化が進む元島民にとって、負担軽減となった。
 航空機による北方領土への元島民の墓参について、会談で、来年の継続を確認したのは適切だ。
 今後は回数を増やすとともに、本格的な宿泊を可能とすることも前向きに検討してもらいたい。
 北朝鮮情勢への対応では、首相はプーチン氏に対し、「北朝鮮の非核化のためには、国連安全保障理事会の制裁決議の完全な履行が不可欠だ」と強調した。
 北朝鮮と関係の深いロシアが一層大きな役割を果たすよう求めたのは当然である。
 ロシアは、国会議員を訪朝させたり、北朝鮮高官を招いたりするなど独自外交を展開している。他方、制裁強化には慎重で、対話による解決に固執する。
 首相は首脳間の信頼関係をテコに、ロシア側に対し、北朝鮮の政策変更につなげる圧力の必要性を説き続けなければならない。

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