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【沖縄タイムス】 [産廃許可取り消しへ]県は影響抑える方策を

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 県は沖縄市池原の「倉敷環境」に対し、産業廃棄物処分業等の許可を取り消す方針を固めた。
 許可の取り消しは廃棄物処理法に基づく県の最も重い行政処分である。
 県内大手の同社を巡っては10トントラック7万台分、高さ約30メートルの巨大な「ごみ山」が長年問題になっている。
 県の許可取り消し方針は、ごみ山の廃棄物を近くのグループ会社の敷地に移動させ、土で覆った不法投棄の疑いが強まったからである。
 倉敷環境はごみ山から移動させた廃棄物の保管について虚偽の説明をしており、県は組織的に隠蔽(いんぺい)が行われたと判断したようだ。
 ごみ山は燃え殻など厳重に管理すべき「管理型廃棄物」とそれ以外のごみを区分しないまま、許可容量を超えて積み上げた結果である。
 ごみ山周辺で県が今年9月、地下水調査をしたところ、基準値を超えるヒ素やカドミウムなどが検出された。
 河川や農業用水からは基準値を超える有害物質は検出されていないものの、周辺は市の農業振興地域に指定されており、農家の風評被害や住民の健康被害が懸念される。
 2015年ごろからグループ会社の敷地に移されたごみ山の燃え殻や混合廃棄物はフレコンバッグと呼ばれる袋に詰められた。だが、年がたつにつれ、バッグが破れ、中身が地中にしみ出している。周辺の地下水調査も必要だ。
 倉敷環境はごみ山を築き、環境に及ぼす影響を無視しており、悪質極まりない。
 
 業者を管理・監督するはずの県の対応にも疑問が残る。
 県がごみ山に対して最初の改善命令を出したのは10年。以降改善命令などは計12回に上り、廃棄物の過剰保管などで事業停止命令も計4回。16年には新焼却炉のダイオキシン濃度が基準値を上回り、使用停止命令も出している。
 だが、結果としてごみ山ができるのを止めることができなかった。
 担当者が現場に足を運べば、ごみ山が大きくなっていくのはわかるはずだ。県の認可は適切だったのか。17年間で繰り返し出された改善命令などで県と業者との間で具体的にどんなやりとりがあったのか説明してほしい。
 ごみ山の問題で県や沖縄市、周辺自治会など7者は、倉敷環境が23年までに処理する合意書を交わしているが、遅々として進んでいない。住民不安は高まる一方だ。
 
 ごみ山の処理は一義的には倉敷環境がなすべきことだが、できなくなった場合は県が行政代執行することになりそうだ。撤去費用には税金が使われる。倉敷環境の責任を明確にすべきだ。
 地下水を守るために処分場の底などに遮水シートを敷かなければならない管理型最終処分場は、本島には同社を含め民間の3カ所があるが、ほぼ満杯状態。このため約3分の2を県外搬出でしのいでいる。県が名護市安和に建設している処分場の供用開始は19年度の予定である。県には倉敷環境に代わる業者との調整を急ぎ、混乱が生じないよう対策を急いでほしい。

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