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【北國新聞】 北陸の景気 拡大の継続に期待できる

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 日銀金沢支店は11月の北陸の景気について「緩やかに拡大している」と判断した。毎月示す景気判断で「回復」の表現を25年5カ月ぶりに「拡大」に引き上げたのは、今年4月である。
 バブルの余韻が残っていた1991年までと同様の拡大の判断が続くことに注目したい。指標に変動はあっても、この基調が続けば先行きに好循環を期待できる。
 内閣府によると、2012年12月から始まった今回の景気回復局面は今年9月の時点で58カ月に達した。高度成長期の「いざなぎ景気」を超えて戦後2番目の長さになっている。
 12年12月と言えば第2次安倍内閣が発足したときである。政権交代に伴って経済政策が財政、金融の両面で大きく転換し、景気は回復に向かった。安倍政権の経済政策に対しては「回復を実感できない」といった批判も消えないが、回復の持続力を見ても効果は明らかに出ている。
 景気が上向いたことを実感しているのは新卒者だろう。就職率が格段に向上しているからである。今春、就職を希望した大学卒業生の就職率は97%を超えた。高校生では石川県で99・8%となり、富山県では100%を達成した。
 全体の雇用情勢を見れば、失業率は2%台に下がる一方で、有効求人倍率はバブル期並みに高止まりしており、アベノミクスの柱である金融緩和の効果は大きいと言うほかない。企業の景況感は業種や規模によって異なるだろうが、倒産件数の少なさは景気が悪くないことを物語る。
 それでも回復に実感が伴わないと言われるのは、景気が上向いている割に賃金上昇が進んでいないことも背景にあるのだろう。所得が増えないため個人消費にも勢いが出ない流れが続いている。
 とはいえ求人数が前年を上回る状態は収まる気配がない。業種によっては、人材を確保できなければ収益機会を逃しかねないほど人手不足が進む中で、賃上げが拡大する環境は徐々に整ってきているのではないか。政策運営に間違いがなければ、賃上げで所得が増え、消費拡大と設備投資を促すという好循環が広がる時期は遠くないとみることができる。

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