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【毎日新聞】 社説 与野党の質問配分見直し 自民党の主張は間違いだ

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 今月1日始まった特別国会は、首相指名選挙の後、何の質疑も行われず、質問時間の見直しをめぐる与野党の対立が続いている。
 そもそも自民党が野党の質問時間を削り、与党の時間を増やすと言い出したこと自体が誤りである。具体的には従来の「与党2対野党8」の配分を「5対5」にするよう求めているが、野党が反対するのは当然だ。早急に提案を撤回すべきだ。
 見直しを主導したのは安倍晋三首相や菅義偉官房長官ら官邸側だと思われる。菅氏は「議席数に(時間配分も)応じるのは国民からすればもっともだ」と踏み込んでいる。
 だが議院内閣制の下では政府と与党は一体をなす。一方、国会は政府を厳しくチェックするのが大きな役割だ。それを考えれば、同じ議院内閣制の英国やドイツもそうであるように、質問時間を野党に手厚くするのは合理的な話だろう。
 しかも自民党には「事前審査」の慣習がある。与党は政府の政策や法案に関し、政府から国会提出前に説明を受けて質問する時間が確保されており、情報量において野党とは大きな差がある。
 質問の中身を見ても、これまで与党側の質問は政府の方針に同調し、礼賛して終わる例が多かった。ましてや「安倍1強」と言われ、首相への異論がほとんど出ない今の自民党だ。質問時間を増やして国会審議が充実するとは思えない。
 改めて指摘しておくが、首相の地位は国民の代表による国会の首相指名選挙を通じて与えられる。首相は野党を含む国会全体に説明責任を果たす必要がある。質問時間見直しは国会の空洞化につながりかねない。
 先の衆院解散は加計学園や森友学園をめぐる疑惑隠しが狙いではないかと批判されてきた。衆院選で自民党が大勝した途端に、こんな提案を持ち出すのは、やはり両問題を追及されるのを首相が嫌がっているからだと見られても仕方があるまい。
 質問時間をめぐる与野党協議が決着しないことから、加計問題を質疑する衆院文部科学委員会の日程も固まらない。
 衆院選後「謙虚に」と繰り返した首相自らが撤回を自民党に指示すると同時に、予算委員会などに首相が出席して丁寧に説明するのが筋だ。

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