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【西日本新聞】 林業再生 豊富な資源の有効活用を

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 森林は土砂災害を防止し、良質な水を育む機能も持つ。二酸化炭素(CO2)を吸収して、地球温暖化を防ぐ役割も果たしている。
 日本の森林は約2500万ヘクタールに及び、国土の3分の2を占めている。世界有数の森林国だ。
 ドイツなど森林資源に恵まれた欧州では、林業は国や地域を支える重要な産業になっている。日本でも森林を有効活用したい。
 そのために取り組むべきことは多い。戦後復興の木材特需で伐採し尽くされ、林業は厳しい状況に置かれてきたからだ。
 2016年度森林・林業白書によると、林業就業者は1980年の約14万6千人から、35年間で3分の1の約4万8千人に減った。人材確保は喫緊の課題である。
 担い手がおらずに放置されているスギやヒノキなどの人工林も少なくない。7月の九州豪雨では大量の流木で被害が拡大した。根をしっかりと張った人工林を維持して、山間部の土砂崩れを防ぐことが大きな懸案となっている。
 林野庁は「森林バンク」制度を創設し、意欲ある林業経営者に放置人工林を貸し出して集約を進める仕組みを検討している。
 大分県などは現場実習などで即戦力の林業従事者を育成するセミナーを開講している。今後も対策を充実させる必要がある。
 生産性向上の取り組みも欠かせない。国内には、住宅需要などを見込んだ人工林が1千万ヘクタールある。
 64年に木材輸入が完全自由化されて以降、輸入材の影響で国産材価格が低迷した。林業経営が難しくなり、伐採期を迎えた木の多くは利用されていないのが現状だ。
 伐採と造林の一貫作業システム構築や木くずなどを燃料として使う木質バイオマスへの活用など、新たな技術開発や木材需要の開拓で活用の幅を広げていきたい。
 鹿児島県の志布志港を拠点に港周辺の鹿児島、宮崎両県の4森林組合は県境を越えて連携し、中国などへの輸出で実績を上げているという。生産地同士で手を結び、海外市場に目を向ける林業再生の試みとして注目したい。 →電子版1周年記念!1万円分賞品券やQUOカードが当たる!!

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