Home > 社説 > 地方紙 > 北陸地方 > 北國新聞(石川県) > 【北國新聞】 トランポリン石川勢 躍進支える半世紀の活動
E165-HOKKOKU

【北國新聞】 トランポリン石川勢 躍進支える半世紀の活動

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 トランポリンの石川県関係選手がブルガリア・ソフィアで行われた世界選手権で優秀な成績を収めて帰国した。金沢学院大職員の岸彩乃選手(金沢学院大クラブ)が五輪種目の女子個人で獲得した銀メダルは日本勢として初めての快挙である。
 石川勢は女子のシンクロナイズドでも銀に輝き、団体では4位に入った。男子は団体で銅を獲得して表彰台に上った。
 五輪と並ぶ大舞台での活躍は「トランポリン王国」と呼ばれる石川の力と可能性を実証したと言っていい。目覚ましい躍進を支えたのは県内で指導者と選手が積み重ねてきた活動である。石川で50年余り前から指導に取り組んできた塩野尚文氏(金沢学院大クラブ総監督)は今回の好成績を受けて、競技の普及と選手強化の成果に「十分な手応え」を感じたという。
 半世紀前に石川の地にまかれたトランポリンの種は世界選手権でしっかりと花を咲かせた。次は3年後の東京五輪に向けて石川勢が一段と大きく成長し、メダル獲得を果たすことを期待したい。
 岸選手は昨年のリオデジャネイロ五輪に出場できず、引退が頭をよぎったときの苦悩を本社に寄せた手記につづっている。失意から立ち直って世界に挑み、見事にメダルを勝ち取った姿は後進を勇気づける。「世界と戦えるようになってきた」との実感は、諦めずに重ねた努力と周囲の力強い支えのたまものだろう。技の水準をさらに引き上げ、東京五輪で表彰台を目指してほしい。
 期待の岸選手を指導する丸山章子金沢学院大クラブ監督(日本体操協会女子強化本部長)は塩野氏の教えを受けて成長し、2000年のシドニー五輪で6位に入った。五輪経験者が指導する金沢学院大クラブには一流を目指す選手が集まり、ソフィアの世界選手権では男子団体決勝で伊藤正樹、岸大貴の両選手、女子シンクロ決勝で森ひかる、高木裕美の両選手がメダルを獲得した。
 指導者の経験と熱意が選手をたくましく成長させ、手塩にかけて育てられた選手が指導者となって後進を導く。この好循環でトランポリン王国の基盤を強く固め、世界制覇を実現してほしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。