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【産経新聞】 日米の北包囲網 変わらぬ危機に向き合え

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 東アジア、東南アジアを舞台にした一連の首脳会合が終了した。主役は10日間にわたりアジアを歴訪したトランプ米大統領である。
 安倍晋三首相との連携により、北朝鮮への圧力の継続について理解と支持は広がった。
 だが、違法かつ無謀な核・ミサイル開発を阻止する効果的な手立てを見いだしたわけではない。危機的状況に変わりがないことを、直視しなければならない。
 北朝鮮に核・ミサイル戦力の放棄を迫るための国際環境の整備が、トランプ氏と安倍首相の最も重要な仕事だった。
 北朝鮮は過去、対話の試みを時間稼ぎに利用して核開発を進めてきた。両首脳がこのことを重ねて説き、「対話より圧力」と訴えたのは極めて妥当といえる。
 東南アジア諸国連合(ASEAN)の関連会合では、北朝鮮の化学兵器も議論の対象となった。今年2月、マレーシアの空港で起きた金正男氏暗殺事件で、猛毒の神経剤VXが使われたことを受けてのことである。
 事件は、北朝鮮の脅威が東南アジアにも及んでいることを示している。ASEAN各国は、国連安全保障理事会の制裁決議を厳格に履行するなど、対北圧力の一端を担う必要がある。
 トランプ氏は軍事力行使が選択肢の一つであることを繰り返し明言した。米軍は日本海で空母3隻による演習を実施した。
 問題は、中国がトランプ氏を迎えてなお、対話による解決という従来の立場に固執し、圧力の強化とは逆行する姿勢を示したことだ。ロシアも中露首脳会談などで同様の立場を確認している。
 もう一つの懸念は、韓国の文在寅政権がいまだに北朝鮮に対して融和的な姿勢を見せていることである。米韓首脳会談で「最大限の圧力」を確認したとはいえ、「事前同意なしの軍事行動はない」という発言もみられる。
 北朝鮮は9月中旬から核実験、ミサイル発射を行っていない。対話を模索している可能性も指摘されるが、意図は不明だ。さらなる圧力で非核化を図るため、米国はテロ支援国家への再指定を急いでもらいたい。
 日本は外交努力を尽くす一方、有事への備えも欠かせない。在韓邦人保護、武装難民への対処など現実の課題に向き合うときだ。

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