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【東奥日報】 関係改善へ指導力注げ/日中首脳会談

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 安倍晋三首相がベトナムとフィリピンで、中国の習近平国家主席、李克強首相と相次いで会談、日中関係の改善推進で一致した。首相が一連の外国訪問中に中国の2首脳と続けて会談するのは異例だ。
 習氏との会談では、日本が議長国を務める日中韓首脳会談の早期開催でも合意、北朝鮮問題では朝鮮半島の非核化を共通目標に連携を深めると申し合わせた。
 政権の基盤を固めた両首脳が関係改善に取り組む方針を確認した意義は大きい。着実な前進に向けて、指導力を傾注するよう求めたい。
 日中間には歴史認識問題や東・南シナ海を巡る対立などの課題がある。課題解決に取り組み、地域の安定化を進めるのが両首脳の責務だろう。
 習氏との会談で首相は「戦略的互恵関係の下、関係改善を力強く進めたい」と強調。習氏も「今回の会談は中日関係の新たなスタートとなる」と述べた。首相が来年中を念頭に「適切な時期」の自らの訪中と習氏の来日を提案したのに対し、習氏は「首脳の往来を重視する」と応じた。中国トップによる2国間会談のための来日は2008年以来途絶えている。相互訪問の早期実現を目指してほしい。
 最大の懸案は北朝鮮への対応だ。首相は「国際社会全体で最大限にまで圧力を強化すべきだ」と主張し、北朝鮮に影響力を持つ中国が建設的な役割を果たすよう求めた。ただ、習氏は先のトランプ米大統領との会談でも、制裁と同時に対話による解決を探る姿勢を示しており、対応に温度差がある。
 それを乗り越えるには緊密な話し合いが重要になる。首相は北朝鮮対応についてトランプ大統領とは頻繁に電話で会談している。だが日中間ではその関係が築けていない。トップ同士が直接話し合える環境をつくりたい。
 会談では、対立点を浮き彫りにしない配慮も払われたようだ。中国が推進する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に関しては地域や世界の安定と繁栄にどう貢献していくか協議することで一致した。首相は「対中包囲網」構築に力点を置いてきた外交方針を封印したと言えよう。
 習氏は「改善のプロセスはまだまだやるべきことがたくさんある」と述べた。沖縄県・尖閣諸島を巡る対立など懸案は多い。その対立を深刻化させないためにこそ、トップの指導力が求められる。

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