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【徳島新聞】   めぐみさん40年  日本の土を踏ませたい  

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 新潟市の中学1年だった横田めぐみさん=失踪当時(13)=が1977年11月、下校中の自宅近くで拉致され、北朝鮮に連れ去られてから、きょうで40年になる。
 耐え難い歳月であるのは言うまでもない。家族の心中を思うといたたまれなくなる。
 北朝鮮による拉致疑惑が97年に浮上し、他の被害者家族と家族会を結成して代表に就いた父滋さんは85歳、母早紀江さんは81歳になった。
 救出運動の先頭に立ち、拉致被害者の家族を象徴する存在として各地の講演会などに精力的に参加していたが、滋さんは2007年に健康上の理由で代表を退任した。
 めぐみさんの両親だけでなく、拉致被害者の家族は心痛を抱え、高齢化している。被害者全員の帰国は国民共通の願いである。政府は救出に、あらゆる手だてを講じてもらいたい。
 めぐみさんについて、02年に拉致を認めた北朝鮮は「娘を出産し、1993年に病院で自殺した」と説明した。
 だが、その後に死亡時期を訂正したり、日本政府に提供した遺骨から別人のDNA型が検出されたりするなどしたため、多くの疑問が生じた。
 拉致を実行した北朝鮮が、被害者の所在を把握していないわけはない。不誠実な対応には憤りを覚える。
 東京・新宿駅「メトロプロムナード」で開かれていた、めぐみさんの写真展を見た。滋さんが撮影したという幼い頃の写真など約30点を目にした誰もが、家族の切実な思いに触れたに違いない。
 早紀江さんは新宿駅でのイベントで娘と引き裂かれた歳月を振り返り、「講演会も千回を超え、親としてこれ以上できないほど努力をしてきた。政府が本気になってやってほしい」と訴えた。悲痛な叫びを、政府は重く受け止めなければならない。
 日本人の拉致問題を巡っては、2002年9月の日朝首脳会談で、当時の金正日(キムジョンイル)総書記が、めぐみさんらを拉致したことを認めて謝罪し、蓮池薫さんら5人の被害者の帰国が実現した。
 しかし、政府が認定した被害者17人のうち、未帰国の12人について、北朝鮮は「8人死亡、4人未入国」と主張。14年5月の日朝合意で再調査を決めたが、16年2月に特別調査委員会の解体を発表し、膠着(こうちゃく)したままだ。
 先日、トランプ米大統領は早紀江さんらとの面会に触れて、こう語った。「どんな子どもも残忍な目に遭わされるべきではない。どんな親も40年にわたる心痛を強いられるべきではない」
 核・ミサイル開発を進めている北朝鮮の翻意を促し、いかに対話と交渉のテーブルに着かせるか。日本と共に米国も力を尽くしてほしい。
 拉致問題の解決は一刻の猶予も許されない。同様の被害者がいる韓国や、北朝鮮に影響力を持つ中国とも連携し、糸口を探っていかなければならない。

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