Home > 社説 > 政党・宗教団体 > 社会新報 > 【社会新報】 トランプ来日 戦争回避こそ指導者の務めのはず
e321-shakai

【社会新報】 トランプ来日 戦争回避こそ指導者の務めのはず

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 総選挙の「陰の争点」とも言われたトランプ米大統領の日韓歴訪は、米国製武器のトップセールスの様相を呈した。米国の迎撃ミサイルで北朝鮮のミサイルを撃ち落とせると言う大統領も大統領だが、見過ごせないのは安倍首相の反応だ。会見で「迎撃の必要があるものについては迎撃していく」と語ったが、どこを狙ったミサイルを迎撃するというのか、米国領向けというなら、それを撃ち落とすことが本当に可能なのか、全く明らかにしていない。
 しかも、ただのセールスに終わっておらず、その威力の実演を伴っている。近海に展開する原子力空母3隻は合同演習を控えており、大統領が言及した(レーダーに捕捉されない)ステルス戦闘機F35は岩国に続いて嘉手納に暫定配備されて訓練を開始、すでに平壌上空に飛来しているのではないかとの話も出るほどだ。
 大統領が今回、横田基地に飛来したことは今の日米関係を象徴している。米軍人は日米地位協定に基づき、日本の出入国管理行政とは無関係に自由に基地から出入りしている。また、首都圏上空の横田空域は米軍の専一的な進入管制下にある(横田ラプコン)。羽田の国際便増便に伴い、住宅地の上を低空で飛ぶようになる飛行ルートの変更が問題になっているが、国交省はこれを「横田空域の一部削減」によって可能となったとするだけで、そもそも世界で唯一、首都上空が他国軍用機優先で使われている実態には触れない。
 これはいい方かもしれない。日米両首脳が最も触れたくなかった現実。それは、米議会調査局が10月末に出した報告書で、米朝戦争が起これば、核兵器が使われなくても「最初の数日の戦闘で3万〜30万の犠牲者が想定される」との見解を示したような、予測される第2次朝鮮戦争の惨禍だ。
 それにしても、「日米は100パーセント共にある」との首相の言明が繰り返される光景は異様だ。戦争に対して絶対ノーと言わないと宣言しているのに等しい。それに、これは首相の信仰に近い願望ではないかとさえ思える。政権内で浮上する「敵基地攻撃能力保有論」について、「日米同盟」による日本防衛が機能することを証明するために、あえて日本から手を出し、米軍の先兵役を買って出ようという一種倒錯した心理の表れとの指摘もある。戦争を起こしてはならぬとは言わず、そのために行動しない首相の存在こそ文字通りの「国難」ではないか。 (社会新報2017年11月15日号・主張より)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。