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【西日本新聞】 与党の質問 政府を追認するだけでは

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 案の定というべきか。国会質疑の形骸化を憂慮せざるを得ない。
 「加計(かけ)学園」問題を審議した衆院文部科学委員会は自民、公明の与党の質問時間配分を厚くしたが、政府対応を追認するばかりの与党質問にはがっかりした。
 文部科学省が開設を認可した加計学園の獣医学部を巡っては、安倍晋三首相の親友が理事長を務める学園の計画に官僚らが忖度(そんたく)したのではないか、あるいは首相自ら何らかの指示をしたのかなど多くの疑念が解明されないまま残る。
 本来は与党でも野党と異なる視点で疑惑を解明するのが国会議員としての責務だ。しかし「1強政権」の下では、政府に盾突くような質問はできないのだろう。そもそも与党には内閣提出法案の事前審査の機会などもあり、政府に厳しい質問はしにくい。
 今回も与党議員からは、国家戦略特区指定と学部開設認可を前提とした質問が目立ち、疑惑は素通りした。象徴的だったのは、今年8月まで文科副大臣として加計学園問題の対応に当たった自民党の義家弘介氏の質問だ。
 政府をただすわけではなく、政府の対応がいかに正しかったかを強調し、問題を追及する野党とメディアの批判に多くの時間を割いた。これでは国会本来の役割を果たしたとは言い難い。いくら文科行政に詳しいとはいえ、「当事者」の一人だった義家氏を質問者に立てた自民党の姿勢も疑問だ。
 国会の質問時間は野党時代の自民党の要求を入れて「与党2割、野党8割」が慣例化してきた。議会制民主主義の趣旨に沿って少数意見を尊重する狙いである。
 ところが先の衆院選で圧勝した首相が議席数に応じて与党の質問時間を増やし野党を削るよう自民党に指示した。「数の力」に押された野党が今回の文科委では「与党1対野党2」の配分をのんだ。
 味をしめた与党は今後、衆参各委員会で質問時間の見直しを進めるというが、議会制民主主義を自ら壊していることに気付かないのだろうか。野党には従来通りの質問時間を割り振るべきだ。 →電子版1周年記念!1万円分賞品券やQUOカードが当たる!!

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