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【徳島新聞】   座間事件とSNS  自殺誘う書き込み排除を  

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 神奈川県座間市のアパートで9人の切断遺体が見つかった事件は、顔や名前を知らない他人と簡単に交流できるインターネットの落とし穴を浮き彫りにした。
 死体遺棄容疑で逮捕された無職の男は、短文投稿サイト「ツイッター」などで知り合った自殺願望がある女性らを自宅に誘い込み、殺害したと供述している。
 「一緒に死んでくれる方いましたらdm(ダイレクトメッセージ)ください」。被害女性とみられるツイッターのアカウントの書き込みだ。容疑者との接点はこのツイッターのようだ。
 容疑者は、ツイッター上で「首吊(つ)り士」など複数のアカウントを使い分け、自殺願望をほのめかす投稿をした女性たちと連絡を取っていたと話している。容疑者は自分も自殺願望があると伝えて信用させていたが、「全部うそだった」と供述し、殺害目的で呼び出したことを認めている。
 ネットの掲示板や会員制交流サイト(SNS)には、自殺願望や、共に自殺する仲間を募る書き込みがあふれる。
 だが、SNSの自殺に関する書き込みを媒介に、見知らぬ他人と接触するのは、犯罪の危険と隣り合わせであることをよく認識すべきだ。
 2005年には、大阪府の男が、自殺サイトに投稿した男子中学生を「一緒に練炭自殺しよう」と誘い出して窒息死させるなど、相次いで3人を殺害した。
 立正大の小宮信夫教授(犯罪学)は、自殺願望を持つ人の多くは深刻なストレスを抱えているとし「手伝いますよという書き込みを唯一の理解者だと思い、無防備に会ってしまう恐れがある」と話している。
 いかにも、自分を理解してくれそうな人が、密室で態度を一変させないとも限らない。自殺ではなく、殺人願望を持った相手かもしれないのである。
 ツイッターを運営する米ツイッター社の日本法人は、今回の事件を受け、「自殺や自傷行為の助長や扇動を禁じます」との項目をツイッターのルールに追加した。こうした投稿が見つかった場合は、削除を要請する方針という。
 犯罪の芽を摘むために、有効な措置の一つだろう。
 もちろん、表現の自由は守られなければならない。しかし、法律に抵触する書き込みは放置できない。警察はサイバーパトロールを強め、厳重に取り締まるべきだ。
 警察庁のまとめでは、16年の全国の自殺者は2万1897人で、うち1割超を未成年と20代が占める。
 7月に更新された自殺総合対策大綱では、重点施策に子どもや若者の自殺対策推進が盛り込まれた。
 若者らを、自殺に誘おうとするサイトや書き込みではなく、命を救う相談窓口に導く手だてが必要である。政府はSNSを通じた相談体制の構築に力を入れる構えだ。急いでもらいたい。

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