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【富山新聞】 地域おこし協力隊 受け皿の充実が欠かせない

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 都市部から過疎地などに一定期間移り住んで地域振興に取り組む「地域おこし協力隊」の隊員が、2017年度に北陸など全国で5千人規模となり、16年度より2割程度の増加となる見通しという。地方移住の第一歩として若者らに浸透してきたかたちであるが、一方で受け入れ先の自治体による隊員の獲得競争も激化している。
 事業を所管する総務省と農林水産省のまとめでは、16年度は全国の914自治体が4090人の隊員を受け入れた。17年度の受け入れ先は全体の6割近くに及ぶ約1千自治体に達する見込みであり、隊員にとっては「売り手市場」となっている。
 共同通信の自治体アンケートによると、富山県内では17年度に10市町が計42人、石川県内では11市町が計48人を受け入れた。いずれも16年度を上回っているが、全国的には必ずしも多いとは言えない状況にある。各市町の担当者からは、全国的に人材の奪い合いが激しくなっているため、募集しても応募がないケースがあるとの声も出ている。
 地域おこし協力隊は2009年度から事業が始まり、隊員1人当たり年400万円を上限に特別交付税が配分される。総務省の調査では、全隊員の7割余りを20~30代の若い世代が占め、任期後も赴任地や近隣市町村に定住する隊員が6割に上っている。人口減少と高齢化に苦しむ地方の自治体にとっては願ってもない事業であり、隊員の獲得にしのぎを削るのも無理はない。
 富山、石川両県は豊かな自然と文化土壌に恵まれ、北陸新幹線の開業によって首都圏とのアクセスも良いことなどから、隊員にとっては魅力的な地域には違いない。ただ、自治体間の競争は今後も厳しさを増すのは必至であり、活動分野や住環境など受け皿の一層の充実が欠かせない。
 新たな隊員を募集するにあたっては、任期を終えて地域に定住した先輩隊員たちの事例を発信していくことも大事である。飲食店を始めるなど起業を果たした先輩隊員も少なくない。そうした具体的な成功体験も、隊員獲得の大きな力になるだろう。

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