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【西日本新聞】 高校生平和大使 許せない核保有国の圧力

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 核兵器廃絶を訴える高校生の演説にまで圧力をかける核兵器保有国の横暴な振る舞いに怒りを感じる。その圧力を防げなかった日本政府にも失望を禁じ得ない。
 日本の高校生平和大使によるジュネーブ軍縮会議での演説が今年は実現しなかった。なぜか。核保有国が演説をさせないよう日本政府に圧力をかけていたことが、情報開示請求で本紙の入手した外務省の公電で明らかになった。
 開示された公電では圧力をかけた国名は黒塗りにされていたが、中国であることが複数の政府関係者への本紙取材で判明した。
 この演説は日本政府が1日だけ高校生を政府代表団に登録して2014年から続いていた。ところが今年、中国の軍縮大使や次席が「高校生に議場から出ていくよう求めることもできる」などと日本側に繰り返し迫ったという。
 平和大使は長崎の平和団体が被爆地の声を世界に届けようと、未来を担う高校生を1998年に国連へ派遣したのがきっかけとなった。公募で国内外の約200人が大使を務め、街頭などで集めた核兵器廃絶署名を国連に届ける活動などに取り組んできた。
 日本が原爆被害を訴えることに中国は「戦争加害国の歴史を歪曲(わいきょく)する」と反発する。高校生の純粋な平和への願いまで政治的に捉えるような姿勢は理解し難い。
 核兵器禁止条約が国連で採択され、ノーベル平和賞に非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が決まるなど核廃絶の機運は高まっている。もし核保有国の焦りの矛先が高校生に向かったのだとすれば、理不尽と言うほかない。
 不当な圧力に結局、屈した日本政府も情けない。高校生の平和への思いを支え、核保有国を説得するのが唯一の戦争被爆国である日本政府の役割であるはずだ。
 ストックホルム国際平和研究所によると、核保有9カ国の核兵器総数は1万4935個に達する。核兵器廃絶に一歩でも近づくよう、高校生平和大使をはじめ市民の活動をさらに強めていきたい。 →電子版1周年記念!1万円分賞品券やQUOカードが当たる!!

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