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【西日本新聞】 再犯防止 更生の受け皿拡充したい

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 刑を終えても犯罪に走る「再犯者」の割合は、実に2人に1人という。どう減らしていくのか-。安全で安心できる社会を目指す上で最重要課題の一つだろう。
 先週発表された「犯罪白書」によると、2016年の刑法犯の検挙者は22万6376人で、うち再犯者は11万306人だった。
 再犯者率は48・7%で20年連続の上昇である。刑法犯の認知数と再犯者数そのものは十数年来減っており、再犯防止が犯罪全体の減少に結び付く実態を物語る。
 再犯の背景には刑務所を出所しても職と住まいを確保できず、地域で孤立しがちな事情がある。再犯する割合は無職者が約27%に対し職を得た人は約8%にとどまるという。3倍以上の開きがある。
 昨年12月に施行された再犯防止推進法は、出所者らの孤立防止と再起を目指している。
 法務省は既に企業などに雇い入れてもらう協力雇用主制度を設けている。ただし、全国で1万8千余の事業主登録にもかかわらず、実際に雇用している事業主は約4%だ。能力や適性を見極めることが容易ではないこともあろう。
 刑務所で行われている職業訓練をはじめ、社会復帰への実践例などを参考にして、着実に受け皿を整備していきたい。
 刑罰に頼らずに、再犯に及ぶ原因を取り除く「治療的司法」という法理論の研究も本格化した。国内初の研究機関である治療的司法研究センターが今春、成城大学(東京)に設立された。
 治療的司法は、罪を犯した原因など被告が抱える心理的、社会的な問題の解決策を探る。更生を後押しする狙いだ。
 欧米では家庭内暴力の加害者、性犯罪者、ギャンブル依存症患者などを対象に実践されてきた。犯罪事実の有無などを審判する従来の刑事法に対し、問題解決を図る司法とも呼ばれる。ただ科学的知見に基づく解決法は確立されていない。研究の進展に期待したい。
 もとより犯罪に遭い傷ついた被害者への配慮も欠かせない。総合的な再犯防止対策が求められる。 →電子版1周年記念!1万円分賞品券やQUOカードが当たる!!

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