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【朝日新聞】 「森友」の検査 首相は再調査を命じよ

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 根拠のあやふやな大幅値引きが、ずさんな手続きで進められていた。
 森友学園への国有地売却問題を調べていた会計検査院が、8億2千万円の値引きについて「十分な根拠が確認できない」とする検査結果を国会に出した。「法令に基づき適正な価格で処分した」という政府の説明に、大きな疑問符が付いた。
 政府には指摘に答える義務と責任がある。値引きの根拠と経緯を再調査するよう、安倍首相は関係省庁に命じるべきだ。国会も政府をたださねばならない。参院が検査を要請したことを忘れてはならない。
 鑑定価格の9億5600万円から、地中のごみ撤去費として9割近くも値引きされたのはなぜなのか。
 政府の説明では、新たなごみが見つかったと学園から連絡を受け、財務省近畿財務局と国土交通省大阪航空局が現場の状況を確認した。工事業者が撮影した写真や過去の調査結果などをもとに、ごみがある深さや混入率などを計算し、ごみの量を算定。処分単価と掛け合わせて費用を出した。
 しかし検査院は、業者の写真ではごみの深さを確認できず、政府の職員が現地で計測した記録もないとして、ごみの深さの裏付けは確かめられないとした。混入率や処分単価についても根拠に疑問を呈し、ごみの量は最大で7割少なかった可能性があると試算した。
 売却までの手続きもお粗末だ。不動産鑑定士の評価書の内容を判断する「評価調書」は作成されず、売却価格を決めた決裁文書に理由が書かれていないなど、ルール違反や通常とは異なる対応が検査で見つかった。
 ただ、その検査も十分とは言えない。壁になったのは、財務省や国交省が関連文書を破棄していたことだ。検査院は「会計経理の妥当性について検証を十分に行えない状況」と指摘し、文書管理の改善を求めた。両省の責任は重い。
 土地売却の交渉は、学園の籠池泰典前理事長が「神風が吹いた」というほど特例づくしだった。建設予定だった小学校の名誉校長を、安倍首相の妻昭恵氏が務めていたことが、背景にあるのではないか。この疑問にも検査結果は触れていない。文書中心の検査の限界だろう。
 首相は国会で「(内閣から)独立した会計検査院がしっかりと検査すべきだ」と述べてきた。今度は、首相が疑問に答える番だ。検査が不十分な点は国会が解明に努める。それが国民に対する責務である。

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