Home > 社説 > 地方紙 > 北海道・東北地方 > 秋田魁新報(秋田県) > 【秋田魁新報】 日馬関暴行問題 協会は全容解明を急げ
E100-SAKIGAKE

【秋田魁新報】 日馬関暴行問題 協会は全容解明を急げ

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 横綱日馬富士関が平幕貴ノ岩関に暴行し負傷させた問題が発覚して10日。警察が傷害事件として捜査を進める一方、日本相撲協会危機管理委員会も日馬富士関をはじめ暴行現場にいた力士ら関係者への聞き取り調査を続けている。
 だが協会による貴ノ岩関の聴取は、師匠の貴乃花親方(元横綱)に拒否され、いまだ実現していない。日馬富士関がビール瓶で殴ったのかどうかも依然はっきりせず、全容解明が急がれる。
 暴行は、秋巡業中の10月25日夜から26日未明に鳥取市内で開かれた酒席で起きた。横綱白鵬関に生活態度を注意されている最中に貴ノ岩関がスマートフォンを操作しようとしたことに、日馬富士関が激怒し、暴行したとされる。貴乃花親方は10月29日、貴ノ岩関の診断書と共に被害届を鳥取県警に提出した。
 鳥取県警はこれまで日馬富士関、貴ノ岩関のほか、横綱鶴竜関や関脇照ノ富士関ら暴行現場にいた力士からも任意で事情聴取。年内にも傷害容疑で日馬富士関を書類送検する方針を固めている。日馬富士関は暴行を認めており、逃亡や証拠隠滅の恐れがないとして逮捕はしない方針だという。
 今回の大きなポイントとなるのが、ビール瓶で殴ったかどうかだ。日馬富士関は「ビール瓶では殴っていない」と否定しており、関係者の証言には食い違いがある。酒の席とはいえ、範を示すべき立場の横綱が暴行し相手をけがさせたこと自体許されるはずはないが、もしもビール瓶で殴っていたとすれば悪質性がより高まることは明白だ。
 これが起訴、不起訴処分などの司法判断に影響する可能性があるが、日本相撲協会が日馬富士関の処分を決める大きな判断材料になることも間違いない。協会は事実関係を明らかにし、相撲ファンも納得できる公平な判断をしなくてはならない。
 暴行問題の全容解明に向け、キーパーソンとなっているのが貴乃花親方だ。警察に被害届を出したにもかかわらず協会には一切報告しなかっただけでなく、その後も協会による貴ノ岩関の聴取を拒むなど一連の態度には疑問を持たざるを得ない。警察の捜査を最優先する意向というが、大きな社会問題となっている中、相撲協会に身を置く当事者の一人として責務を果たしているといえるのだろうか。
 貴乃花親方が協力しなければ問題の長期化は避けられないとの見方もある。長期化すれば八角理事長(元横綱北勝海)ら協会執行部の信頼が大きく揺らぎ、回復した相撲の人気にも影を落とす懸念がある。これまでも相撲協会は不祥事のたびに、組織統治能力の欠如が指摘されてきた。現執行部は貴乃花親方を説得し、早い段階で貴ノ岩関の聴取を実施することが大切だ。全容を明らかにした上で、再発防止策をしっかりと講じる必要がある。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。