Home > 社説 > 地方紙 > 四国地方 > 徳島新聞(徳島県) > 【徳島新聞】   「森友」検査院報告  疑惑解明へ証人喚問を  
E250-TOKUSHIMA

【徳島新聞】   「森友」検査院報告  疑惑解明へ証人喚問を  

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

Tweet
 「適切に処理した」という説明は虚偽だったのか。
 
 学校法人「森友学園」に国有地が約8億円も値引きされて売られた問題で、売却額がずさんに算定され「慎重な調査検討を欠いた」とする報告書を会計検査院が公表した。
 
 この問題では、国有地に建つ予定だった小学校の名誉校長に安倍晋三首相の昭恵夫人が一時就任し、行政側が忖度(そんたく)したのではないかとの疑惑が浮上している。
 
 夫人付の政府職員が国有地に関し、財務省に問い合わせていたことも分かっている。
 
 第三者を入れた調査委員会の設置を求めた野党に対し、首相は「検査院が調査する」として拒んできた。その検査院が、政府の主張に異議を唱えたのである。
 
 国有地は国民の共有財産であり、不当に安く売られたとすれば、断じて許されない。
 
 どんな理由で大幅に値引きされたのか。首相や政府の関係者は、改めて疑問に答える責任がある。
 
 問題の国有地は、学園が2015年5月に国と定期借地契約を結んだものだ。
 
 16年3月に「地中でごみが見つかった」と学園が財務省近畿財務局に連絡し、土地を所有する国土交通省大阪航空局が撤去費用を8億1974万円と算定。同年6月、財務局がそれを差し引き、1億3400万円で売却した。
 
 検査院は、この算定根拠が不十分だとした。
 
 ごみがあった深さについて、航空局が試掘での最大値を全体に適用したのを「根拠が確認できない」とし、混入率も「合理性がなく、高めに算定された」と指摘。撤去費の単価は適正なのか判断できる資料がないと切り捨てた。
 
 検査院は、ごみの総量が算定の3~7割に減る試算も示し、今回の売却は「適切とは認められない」と批判した。
 
 報告で目に付くのは、裏付けや根拠が「確認できない」といった文言である。財務、国交両省が学園との交渉記録を破棄したためで、政府は国会でも「記録がない」と繰り返し、答弁を逃れてきた。
 
 政府は保存期間が1年未満だったと釈明しているが、期間は省庁が「お手盛り」で決めたものだ。隠蔽(いんぺい)したとの疑いは拭えず、検査院が公文書管理の改善を求めたのは当然である。
 国有地を巡っては、近畿財務局が学園側に買い取り可能な金額を尋ねたとの証言があるほか、売買価格を協議したとうかがえる音声データも見つかっている。
 
 ずさんさを指摘した検査院だが、権限上、なぜ不可解な値引きが行われたのかには踏み込まなかった。
 
 それを解明するのは国会の役目である。野党は衆参両院の予算委員会などで追及する構えだ。政府は適切ではなかったことを認めた上で、経緯や背景について説明を尽くさなければならない。
 
 疑念を解消するには、昭恵夫人をはじめ財務省幹部らの証人喚問も欠かせまい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。