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【西日本新聞】 公文書新指針案 隠蔽や改ざんを防げるか

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 政府の公文書は適切に管理、保存されるのか。政府が公表した公文書管理の新指針案にはなお不備があると指摘せざるを得ない。
 なぜ指針を見直すのか。加計(かけ)・森友学園問題に防衛省の日報隠蔽(いんぺい)問題と、続けざまに情報公開に逆行する公文書管理の事実が明るみに出たからに他ならない。
 見直し案は、行政の意思決定過程の検証に必要な文書の保存期間を「原則1年以上」とした。
 保存期間1~30年の公文書は管理簿をネット公開し、重要な歴史資料は保 存期間終了後に国立公文書館などに移管する。廃棄の場合は首相と内閣府の同意が必要だ。
 原則外の保存期間1年未満の文書は担当課が廃棄を判断する。森友学園への国有地売却記録を財務省は「1年未満なので廃棄した」と説明した。南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報も廃棄とされたが、その後見つかった。
 「1年未満」が隠蔽の口実に使われるなら見直しは当然だ。恣意(しい)的分類を防ぐため1年未満の事例を「職員間の日常的・定期的な業務連絡」など七つ示した。
 ただし文書の保存期間を判断するのは、あくまで府省庁だ。行政に不都合な文書が1年未満に分類、廃棄される恐れは消えない。
 廃棄の判断に外部の視点を入れられないか。熊本県の行政文書管理条例は、廃棄に第三者委員会の意見聴取を明記する。熊本県にできて国ができないはずはない。
 後退につながる見直しもある。複数の府省庁や外部との協議を文書化する際は可能な限り相手方の発言を確認するという。示し合わせて改ざんする恐れはないか。
 先月末、国会内であった問題点を考える集会で、NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は、一部前進を認めつつ「このままでは行政文書の範囲が狭まる」と懸念した。
 公文書管理法は「公文書は民主主義を支える国民共有の知的資源であり、適正な管理と適切な保存で現在及(およ)び将来の国民に説明する責任を全うする」と規定する。この理念に沿う再検討を求めたい。

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