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【西日本新聞】 大学入試改革 円滑な導入へ課題検証を

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 大学入試センターが、センター試験に替えて2020年度に始める「大学入学共通テスト」の試行調査(プレテスト)を実施した。
 従来のマークシート方式に加え、国語と数学の一部で初めて記述式問題を導入した。
 センターは記述式の難易度や採点方法、生徒の自己採点との開きなどを丁寧に検証してほしい。
 移行期間を経て、24年度から民間認定試験への全面移行が決まっている英語のプレテストは、来春に実施される。
 設問傾向が異なる多様な民間試験で公平性を確保できるのか。試験結果を入学者選抜にどう組み込むのか。受験生に不安を与えないよう、文部科学省は早急に民間試験活用の具体案を示すべきだ。
 政府の教育再生実行会議の提言(2013年)から本格化した入試改革の眼目は、一発勝負からの脱却、1点刻みで知識を争う入試から、思考力や意欲などを総合的に評価する入試への転換だった。
 ところが、中教審や有識者会議の議論を経るうちに、抜本改革は一部教科への記述式問題の導入と英語の民間試験活用に収束されてしまった感が強い。
 記述式は採点の都合から、本格的な長文の導入が見送られた。英語民間試験の結果は段階評価とともに、素点も大学に提供されるという。「1点刻み入試の現状はさほど変わらない」という声が教育現場から聞こえてくる。
 基礎学力を測る共通テストに、思考力や表現力などの評価を担わせるには限界がある。
 各大学がそれぞれの教育方針に沿って人材を選ぶことが、入学者選抜の本来の姿だ。
 書類や面接などによるアドミッション・オフィス(AO)入試が国公立大にも広がっている。一般入試の合否判定に、受験生の主体性や社会参加への意欲を加味する試みも一部で始まっている。
 各大学が知恵を絞り、個別入試で独自性を発揮することを期待したい。文科省は大学の主体的な取り組みを積極的に後押しする施策にも力を入れるべきだ。

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