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【朝日新聞】 パーティー券 「透明化」の流れに背く

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 政治家の資金集めパーティーへの資金の出どころが極めて不透明だ。そんな実態が、昨年の政治資金収支報告書の本紙による分析で分かった。
 安倍内閣の閣僚のうち17人が昨年、在任中に計56回パーティーを開き、約7億4千万円の政治資金を集めていた。
 納得できないのはその94%、7億円近くは誰が支払ったのかが不明ということだ。
 56回のうち26回ではパーティー券購入者の記載が一切なかった。菅官房長官は1年で7600万円、稲田元防衛相は2400万円を得たが購入者の公表率はゼロだ。
 こんな不透明がなぜ許されるのか。政治資金規正法が、パーティー1回につき20万円以下の購入者は、個人や企業名を収支報告書に記載しなくてよいと定めているからだ。
 一方、規正法では、寄付については年額5万円を超えれば個人や企業名の記載が義務づけられる。同じ閣僚17人が昨年受けた寄付の総額約5億8千万円のうち、93%は寄付者の名前や住所が公表されている。
 これに対し、パーティー券は購入者が匿名で資金提供しやすいうえ、政治家にとっては、補助金を受けるなど寄付が制限される企業からも調達できる。双方に利点があり、政治団体の収入源の主役になりつつある。
 現状は政治資金の透明化をめざす流れに背く抜け道に、パーティーが使われているようにしか見えない。法の不備である。
 規正法は冒頭、その目的をこう定める。政治活動を「国民の不断の監視と批判の下に」置くことで、「政治活動の公明と公正を確保」する――。
 政治家への資金提供は本来、すべて国民に公開されるべきものだ。少なくとも、パーティー券購入も寄付と同じく、5万円超の場合は収支報告書への掲載を義務づける法改正が必要だ。
 もうひとつ問題なのは、閣僚らに大規模なパーティー開催の「自粛」を求めた大臣規範に反する可能性があることだ。
 強い職務権限を持つ閣僚の政治活動について、透明性と中立性を保つための措置である。
 ところが、安倍首相は3回の朝食会で6800万円、麻生財務相は1回で6360万円を集めていた。これでも「大規模ではない」というのか。
 共産党を除く各党には、年額300億円を超す税金が政党交付金として渡されている。
 政治資金パーティーは与野党を問わず広がっている。透明化に背を向け、税金との二重取りを続ける現状は許し難い。

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